昔々の想い出
昔、昔、昭和20年の秋だった。私は中学2年生で学徒動員から解放され、父母の故郷越
後へ帰っていた。北に弥彦山が見えた。
農作業を手伝った。家のご主人は兵隊から未だ戻っていなかった。
知り合いの若いお手伝いさんが来ていて、はぜ場で干した稲束を上から降し、リヤカー
に山に積んで、農道を引っ張り、納屋まで運んでおろす作業だった。
お手伝いさんが、おろす作業をしながら、口ずさんでいた歌が越後獅子であったこと
が、後年わかった。お手伝いさん今もお元気であろうか。
越後獅子の歌を聞くと、当時の情景が鮮明に蘇る。
西条八十作詞
越後獅子
笛にうかれて逆立ちすれば
山が見えます ふるさとの
わたしゃみなしご 街道ぐらし
ながれながれの 越後獅子
今日も今日とて 親方さんに
芸がまずいと 叱られて
撥でぶたれて 空を見上げれば
泣いているよな 昼の月
うつや太鼓の音さえ悲し
雁が啼く啼く 城下町
暮れて恋しい 宿屋の灯
遠く眺めて ひと踊
ところ変れど 変わらぬものは
人の情けの 袖時雨
ぬれて涙で おさらばさらば
花に消えゆく 旅の獅子
越後の西蒲原郡月潟村を発祥とするといわれている。(1781~1801)
昔、昔、昭和20年の秋だった。私は中学2年生で学徒動員から解放され、父母の故郷越
後へ帰っていた。北に弥彦山が見えた。
農作業を手伝った。家のご主人は兵隊から未だ戻っていなかった。
知り合いの若いお手伝いさんが来ていて、はぜ場で干した稲束を上から降し、リヤカー
に山に積んで、農道を引っ張り、納屋まで運んでおろす作業だった。
お手伝いさんが、おろす作業をしながら、口ずさんでいた歌が越後獅子であったこと
が、後年わかった。お手伝いさん今もお元気であろうか。
越後獅子の歌を聞くと、当時の情景が鮮明に蘇る。
西条八十作詞
越後獅子
笛にうかれて逆立ちすれば
山が見えます ふるさとの
わたしゃみなしご 街道ぐらし
ながれながれの 越後獅子
今日も今日とて 親方さんに
芸がまずいと 叱られて
撥でぶたれて 空を見上げれば
泣いているよな 昼の月
うつや太鼓の音さえ悲し
雁が啼く啼く 城下町
暮れて恋しい 宿屋の灯
遠く眺めて ひと踊
ところ変れど 変わらぬものは
人の情けの 袖時雨
ぬれて涙で おさらばさらば
花に消えゆく 旅の獅子
越後の西蒲原郡月潟村を発祥とするといわれている。(1781~1801)