MOLE / 生きてる証拠の備忘録

継続は力なり、というので、
出来る限りは毎日書くつもりです、多分。

エクスペリメント(2点)

2016-12-14 23:30:53 | 映画

馬鹿にするなと言いたい。

プリズンブレイクの製作総指揮の
ポール・シェアリングが監督を務めた、
2010年の作品をAmazonでみた。

なんやねんこの映画。ってレベル。
ネットの評論家がそーんなに低い評価じゃ
ないけれど、どこに目をつけてんの?
と、声を大にして言いたい。

ガッカリを通り越して怒りさえ覚える。
面白くない、じゃなくて、無茶苦茶。

名優のフォレスト・ウィテカーの演技は最高。
そしてエイドリアン・ブロディも素晴らしい。
でも、脚本がダメなせいで、全部台無し。

2001年のドイツ映画「es」のリメイク版。

日給1000ドルという高額な報酬が目当てで
集められた24人の男たちを、「囚人」と「看守」
の役に分けて、刑務所の中で14日間監視する。

1971年にアメリカスタンフォードで行われた、
スタンフォード監獄実験を題材にした映画。



まず、この手のシチュエーション映画は、
決められたルールの中で展開する」から
面白いのであって、最初に発表されたルールを
無視してキャラが暴走すると、途端に意味が
分からなくなるし、興を削がれる。

この映画でいえば、
「暴力行為があったら即実験終了」
というルールがあるにもかかわらず、
看守役になって支配欲に目覚めた馬鹿な黒人が、
主人公の白人にあからさまな暴力行為を働く。

それなのに、実験は終わらない。

他のルールも、いったい何のために存在するのか
意味不明なものだらけ。「1日3食完食すること」
というルールも、糖尿病患者が紛れていて、
そいつが床に伏せるから、2日目で反故される。

本当に勘弁してほしい。ふざけてる。


主人公が出会ったばかりの女性と旅行に
行くためにお金を稼ぎに来たって設定も馬鹿。
いや、感情移入できると思ってるのか?

せめてずっと付き合っている人ならまだしも、
出会うところから見せられるなんて、
観客をいったいどんな感情にしたいのか。

そして最大の馬鹿ポイントは、
「看守」「囚人」に分かれるわけだけど、
何も「縛り」がないんだし、
はじめに主催者側の研究者のオッサンが、
「皆さんの健康や安全が第一」とか言ってん
だから、何も面倒を起こさずに14日間過ごせば
それで14000ドルを手にして終わりやんか。


それなのに、看守役がやたらと威張ったり、
囚人役を恫喝したり、囚人役もそれに抵抗して、
結局ボコボコにされたり。

必然性がなさすぎるし、1人ぐらい、
何もせずに14日間過ごそう!」という、
そんな普通の人がいても良いはず。


そこに「縛り」を入れるなら、
そもそも主催者のオッサンは異様な雰囲気を
醸し出してないとアカンし、ルールも、
「看守役は1日1人囚人役に暴行を加えること」
とか、バイオレンスな条件をつけないと。

「囚人は看守に触ってはいけない」も、
始まってすぐに主人公が看守役の黒人に触ってる
シーンがあるし。なんという雑な映画。


そして全てのフラストレーションが、
最後は昇華されるのかと思いきや、
結局最後は囚人と看守の大乱闘で終了。

人が死んでも終わらなかった実験が、
大乱闘で殴り合ってるだけで終了。



最後に主催者が出て来て、意図や目論見を
話したりするのかと思いきや、それもなし。

しかもルール違反で実験終了のはずが、
最後のシーンではきっちり報酬をもらってるし。


糖尿病を黒人が殺したのに普通に帰ってるし。
最後はナレーションで終わるし。


本当に最低最悪な映画だった。