葉織る。

言葉の中にそれを紡ぎ織った人が見えても、それは虚像かもしれない。

押しの一手?

2006-07-19 03:21:16 | 仕事
 時々、施術中に「これは指圧だよね?」と聞かれたりします。

 私の施術は「按ずる」のが中心なので、「按摩」とは「揉み療治」だというイメージの強い方には、そう感じられるのでしょう。

 指圧は明治に入ってから作られたので、按摩やマッサージと比べると、まだ歴史は浅いのですが、充分に完成された治療法です。と言うか、新興流派としてのポジションを生かして、按摩やマッサージ、他にもカイロプラクティックなどの技術を取り入れるという、おいしいトコ取りをしまくってます。そのエッセンスを「圧迫」つまり「按ずること」に集約するという潔さが、指圧という手技をより洗練されたものにしています。

 「指圧」という名前からは、とにかく拇指で押しまくるというイメージが湧いてきますが、実際には他の四指、掌、肘など多様な部位を使用します。また、他動運動法(補助付きで行うストレッチです)のバリエーションも豊かです。

 按摩も「按」が技法の中心ですが、その構造や理論は等閑にされる傾向にあります。しかし指圧は、垂直圧・持続圧等の用語が充実し、理論的にも整理されています。

 ただ。・・・私自身が見聞した限りでは、指圧という治療法は、完成されてはいますが、熟成はまだまだこれから、という印象を受けます。枯れた味わい、という点では按摩に一日の長がありますね。

 それと、「圧迫」に全てをかけるというのは潔いのですが、私はやはり、「擦る」という手技が捨てがたいのです。

 按摩の「按」と「擦る」の組み合わせの妙。お互いに補い合い、高め合い、フィードバックしてリズムを奏でる。

 この辺の揺らいだ感性のある按摩が、何だか私の趣味に合うのです。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 分岐点は? | トップ | 遠心性か、求心性か。 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

仕事」カテゴリの最新記事