葉織る。

言葉の中にそれを紡ぎ織った人が見えても、それは虚像かもしれない。

気持ちは分かるけど。

2006-07-27 03:20:00 | 仕事
 アルント・シュルツの法則は、本来はホメオパシーという治療法のためのものでした。

 しかし、按摩・マッサージや鍼灸の理論の教科書には「刺激と反応に対する一般法則」とあります。つまり、この法則を、そのまま按摩・マッサージや鍼灸の理論として使いたい。そのためには「ホメオパシーのための法則」よりも「一般的法則」の方が良い、と判断した「誰か」がいたのでしょう。

 その「誰か」の気持ちは分からないでもありません。経験的に、施術の刺激量と反応の関係は、アルント・シュルツの法則と被る部分が多いと思われるからです。

 例えばスポーツマッサージで、試合直前に施術をする時は、ごく弱い刺激(力も時間も)の方が、体が覚醒するようです。「弱い刺激は神経機能を鼓舞する」です。逆に試合後は、強めの刺激の方が、より早くより良い休息を取れるようです。「強い刺激は生理機能を抑制する」です。

 また、神経痛などは、神経の機能が異常に亢進しているのですから、じっくりと按ずる、これも「強い刺激で生理機能を抑制する」です。

 しかし、体を覚醒させるのなら、同じ弱い刺激でも「按ずる」より「揉む」「叩く」手技の方が効果が早いようですし、逆に体を休息状態にするのなら、同じ強い刺激でも「揉む」より「按ずる」方が良いようです。

 神経痛も、あまりにひどい痛みの場合は、刺激量がどうだろうと、直接患部を弄ると悪化したりします。

 逆に麻痺などに対して、弱い刺激で「神経機能を鼓舞」出来るかというと、残念ながらそう上手くはいきません。

 結局、刺激と反応の関係は、単なる刺激の量だけでなく、刺激の質と量の相乗効果で考えるべきなのでしょう。それと、勿論施術を受ける側の状態も。

 考えてみれば「一般法則」という時点で無理があります。「一般」と言うからには、全ての刺激に当てはまる筈ですが、例えば香辛料はどうでしょうか?強い辛さ、つまり強い刺激の方が、体が覚醒すると思います。

 やはり「アルント・シュルツの法則」は、ホメオパシーのための法則なのでは。

 ・・・続く。

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