葉織る。

言葉の中にそれを紡ぎ織った人が見えても、それは虚像かもしれない。

鍼灸やマッサージにエビデンスが無い理由。

2014-09-26 23:39:23 | 仕事
 鍼灸やマッサージには、ちゃんとしたエビデンスがありません。何故でしょうか。
 そもそも氣の概念というのが科学というには反則過ぎるとか。
 ダブルブラインドで試験しようにも、偽治療を設定するのが難し過ぎるとか。

 色々言われているようですが、私は単純に、鍼灸やマッサージは儲からないからエビデンスが無いのだ、と思っています。

 ここでちょっと、医薬品について考えてみましょう。
 ご存じの通り、医薬品というのは、一旦効き目が確認されて通常医療の中に組み込まれれば、莫大な利益を生みます。
 何しろ工場で大量生産できますから。
 いや、製薬会社が不当に儲けている、なんて話ではありません。
 その仕事の内容が誠実なものであれば、製薬会社の儲けは全く正当なものです。

 だから多額の資金が投資され、多くの人間が研究のために集まり、正式な認可を受けるべくダブルブラインドで臨床試験がなされます。
 その結果、その薬が効くか効かないかのエビデンスが積み上げられていくのです。

 …そういう手順を踏みたくない場合は、コンドロイチンやヒアルロン酸などをサプリメント(プロテインや魚油のように、効果が確認されているものは除く)にして大量生産し、どこかのお医者様のお墨付きをエビデンス擬きにして儲けるわけです。

 対して鍼灸やマッサージは、施術者とクライアントの一対一で出来高制。どだい儲けに上限があります。
 だから儲けることが優先されると、骨盤とか小顔とか耳ツボとか、効かない(サプリメントのように)技術を売りにするようになります。
 もしくは、そういう技術を講習会で教えて稼ぐようになります。
 これではエビデンスなど、できるはずがありません。

 でもこんなことを続けていれば、鍼灸師やマッサージ師はいつまでたっても「怪しい呪い師」扱いです。
 呪い師ではなく、施術家でいるためには、自分が施術家だという矜持を保つことが必要です。
 このことは、ある程度研鑽を積んだ施術家なら腑に落ちるはず。

 国家資格を取得しているかどうかは、その矜持を保つための最低条件です。

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