プロポーズ小作戦73
さよなら
『いつか、私が天子様を外にお連れしましょう』
その誓いは果たされた。
外は天子が幼い頃思っていたような、優しい世界ではなかったけど、黒の騎士団を始め優しい人はいた。もちろん、怖い人もいるのだろうけど、今のところ天子は恐怖感を覚えるほど怖い人に会った事は無い。それは自分が守られているからだと思う。星刻に。中華に。
2代目ゼロにさらわれて、銃を突きつけられたときは確かに怖かった。でもそのあとでゼロにあったときには少ししか怖くなかった。きっと神楽耶がいてくれたからだろう。
一番怖かったときを考えてみれば、戦争中の斑鳩の甲板に飛び出したときかもしれない。あの時、星刻が来てくれなければ、自分は命も肉体も失っていただろう。
あの時、何故飛び出せたのかいまだにはっきりわからない。星刻は無理に考えない方がいいと言っているから、それでいいのだろう。
それにいつでも星刻は来てくれる。
それなら、自分には何も怖いものなど無い。
あの戦争が終わった後、星刻は誓ってくれた。
『お守りします。とこしえに』
すっと自分の傍にいると約束してくれたのだ。
だから、天子には怖いものは無い。
少なくとも、天子はそう信じていた。
2020年12月29日夕刻、天子は女官に夕食を2人分にするように命じた。
もちろん、星刻との夕食である。
本来ならいるはずの給仕人や女官、護衛さえも遠ざけて、天子は星刻と2人だけの夕食を楽しんだ。
それは星刻が幼い天子と過ごせた幸福な時間の終わり。
さよなら
『いつか、私が天子様を外にお連れしましょう』
その誓いは果たされた。
外は天子が幼い頃思っていたような、優しい世界ではなかったけど、黒の騎士団を始め優しい人はいた。もちろん、怖い人もいるのだろうけど、今のところ天子は恐怖感を覚えるほど怖い人に会った事は無い。それは自分が守られているからだと思う。星刻に。中華に。
2代目ゼロにさらわれて、銃を突きつけられたときは確かに怖かった。でもそのあとでゼロにあったときには少ししか怖くなかった。きっと神楽耶がいてくれたからだろう。
一番怖かったときを考えてみれば、戦争中の斑鳩の甲板に飛び出したときかもしれない。あの時、星刻が来てくれなければ、自分は命も肉体も失っていただろう。
あの時、何故飛び出せたのかいまだにはっきりわからない。星刻は無理に考えない方がいいと言っているから、それでいいのだろう。
それにいつでも星刻は来てくれる。
それなら、自分には何も怖いものなど無い。
あの戦争が終わった後、星刻は誓ってくれた。
『お守りします。とこしえに』
すっと自分の傍にいると約束してくれたのだ。
だから、天子には怖いものは無い。
少なくとも、天子はそう信じていた。
2020年12月29日夕刻、天子は女官に夕食を2人分にするように命じた。
もちろん、星刻との夕食である。
本来ならいるはずの給仕人や女官、護衛さえも遠ざけて、天子は星刻と2人だけの夕食を楽しんだ。
それは星刻が幼い天子と過ごせた幸福な時間の終わり。