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『塞翁(さいおう)が馬(うま)』
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人生では禍(わざわい)がいつ福の因(もと)になるか分からず、また福がいつ禍の因になるか分からない。吉凶福禍の転変は測り知れず、禍も悲しむにあたらず、福も喜ぶに足りないということ。
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用例:俳・毛吹草-二 「人間(ニンゲン)万事塞翁が馬」
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類:●人間万事塞翁が馬●禍福は糾える縄の如し●Life can be long and you got to be so strong and the world is so tough. Sometimes I feel I've had enough. --John Lennon (1940-80): How?<「英⇔日」対照・名言ことわざ辞典>
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故事:「淮南子-人間(じんかん)訓」 昔、中国の北辺の老人(塞翁)の馬が逃げたが、後に立派な馬を連れて帰ってきた。老人の子がその馬から落ちて脚を折ったが、そのために戦争に行かずにすんだ。このように人生の吉凶は簡単には定め難いものである。
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用例の出典:毛吹草(けふきぐさ) 江戸初期の俳書。5冊。松江重頼著。寛永15年(1638)成立、正保2年(1645)刊。俳諧の作法を論じ、句作に用いる言葉や資料を集め、句作の実例として四季に分けた発句2000句、付合(つけあい)100句を収録。貞門の俳論を代表する。
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<松下幸之助一日一話> PHP研究所編
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責任を生きがいに
人は成長するにつれて、だんだんその責任が重くなっていきます。そして、成人に達すると法律的にもはっきり少年のころとは違った責任を問われます。また、次第に高い地位につくようになると、それだけ責任が重くなります。しかし、人はもともと責任を問われるところに、人としての価値があるのだと思います。責任を問われることが大きければ大きいほど、それだけ価値が高いということが言えましょう。ですから、責任を問われるところに、生きがいもあろうというものです。責任を背負い、そのことに生きがいを覚えないとしたら、年齢は20歳をどれだけ過ぎようと一人前の人ではありません。