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『死馬(しば)の骨を買う』
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つまらない者をまず優遇すれば、優(すぐ)れた者が自(おの)ずから集まってくる。 例:「死馬の骨を五百金で買う」
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類:●隗より始めよ
参考:「戦国策-燕策上・昭王」 燕のある臣下が、主君の命令で千金を持って名馬を買いに行ったところ、その名馬は既に死んでいたので、その骨を五百金で買って帰った。その話が中国全土に広まり、生きた馬ならもっと高く買って貰えるだろうと各地から名馬が集まった。
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<松下幸之助一日一話> PHP研究所編
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利害を超える
ある日、私のところに「自分の会社で造る製品の販売を引き受けてもらえないか」という話を持ってこられた人がいた。私はいろいろとその人の話を聞いてみて、この人はえらい人だなと思った。普通であれば、自分にできるだけ有利になるよう交渉する。それがいわば当たり前である。ところが、その人は「すべてをまかせる」という、自分の利害を超越した態度をとられた。私はその態度に感激し心を打たれた。われわれはともすれば自分の利害を中心に物を考える。これは当然の姿かもしれない。しかし、それだけにそれを超越したような姿に対しては、心を動かされる。これもまた人間としての一つの姿ではないか。