張明澄先生講義 平成6年11月13日
南華密教講座 第一回
講義要録 掛川掌瑛
南華密教とは、主に中国揚子江地方に伝えられた仏教の一派である。
「西遊記」は仏教が弾圧された時代に、密かに南華密教を布教した秘伝書。
*中国の華北の勢力-南に進む→揚子江地方の人達→ベトナムなどへ逃げる。
春秋時代ごろに、揚子江地方から日本の九州に移り住んだ人々があった。
媽祖(まそ)の別名、娘媽(のま)を祭った野間神社が鹿児島にある。
日本人は弥生時代に朝鮮から来た人々と、縄文時代の先住民とが混血したもの。
縄文人はアイヌと沖縄にだけ混血せず残った。
京都の旧家などで縄文人そのままの顔立ちの人たちも残っている。
朝鮮人は満州南部の民族が移住した遊牧民。
日本人は朝鮮半島を追われてきたから、逆に侵略したがるようになった。
日本民族は最初から農耕民族で、遊牧の経験がない-世界的に異質
〇西遊記の孫悟空は、石から生まれた猿である。
石は頑石、猿は心猿で、無知で洗練されていない人間に心が生まれる事を表わす。 知-智
孫悟空の孫は中国語で猿を意味する 胡孫/猢猻(こそん)から
悟は自分だけ悟る。空は仏経の考え方の内の一段階。
「悟空」は空を悟るという意味。
○お釈迦様の時代には、最初にまず、正しいものは何か、を知ろうとした。
例:日本は言論が自由で治安が良いとは本当か? そうとも限らない。
天皇の戦争責任=長崎市長-狙撃される。
石原慎太郎の本-田中角栄が日本を駄目にした-出版できない-金融界の圧力
日本は銀行の力が強く、言論も支配されている-必ずしも警察が抑圧するわけではない
お釈迦様の時代はバラモン教に絶対の権威があったが、本当か?という問題提起。
〇有=存在、物事を正しくみればどこに位置づけされるか。
分類法 類型学的記号論
最初仏経でこの方法を取ったがすぐに別の方法ができた。
中国では別の方法がでなかった。 格別致知-物を別けて知に至る。
易卦
干支 甲-父 己-娘 など
五行
仏教では、こういう条件で分類しても、絶対的なものとは言えないではないか?
父はその娘からみて「パパ」だが、その両親からみれば「パパ」ではない。
〇空=関係 インドで[0]の概念 - 実体がない、絶対性がない
中国の老荘思想「無」の概念
「関係」とは実体のないもの、「父」といっても絶対性はない。
関係が決まるから実体が決まる。
中国思想はここまで。仏教はさらに発展した。
現代科学-電子と陽子の関係で、鉄であったり金であったりする。
〇識=認識 関係は位置づけできるが、認識によって変化する。
唯識思想 父が娘と思っても、本当の娘とは限らない。
関係と言うのは決まっているとは限らない。
現代科学は空の段階から、識の段階に進んでいる。
ホーキング:宇宙がどうなっているかは人間からみてどう見えるかしか分からない。
宜保愛子と大槻教授-共通の認識=インチキ?
宜保愛子のファン-信じる=違う
高塚 光と患者-共通の認識=念で治った
この範囲では正しいとしか言えない
有から空へは順調に進む。空から識へは難しい
認識が関係を支配するか、関係が認識を支配するか?
〇密 密教=秘密の密ではない。緊密の密ータントラからくる
人間は有限で、学問・知識は無限。単に勉強しても無駄。
いろいろの知識をうまく繋いでゆかなければ役に立たない。
日本のノーベル賞受賞物理学者-カラオケを知らない
どんな研究をしても役に立つものはできない。
例:良くあたる易者、気学しか知らないのに上手に人を指導できる。
奇門遁甲のできる易者-裏目に出る。横の繋がりがないと使えない。
お妾さんが旦那から金をもらうのは、事業家の利益とは違う。
高級な占い-運命学以外の知識をからめていかないと役に立たない。
南華密教-自分の知っているありったけの知識を繋いでゆく。
密教は仏教の最終段階-知識学問の追求より繋ぐ事を重視する。
〇経典・功夫・実学・秘術 これらを繋ぐ→智慧
経典 最低限度、肝心な部分だけは読む。
功夫 人間の潜在能力を引き出す。
実学 日本の問題点-実学が充実してない。
アメリカ大統領-シンクタンク 台湾総統-ハーバードと京大の学位
日本では東大四年程度で政治家になる-非学問的
念力でスプーン曲げ-手で充分曲がる 無駄
実学=現代科学の上に密教の知識・思想を持つのが望ましい
新興宗教-実学の否定 オウム心理教の病院-教祖の写真で治す?
中国の占術-干支の記号で整理した時間に特徴があるという考え-現代科学で否定も肯定もしていない
念力-気功師=現代科学に逆らう
最大限度の念力-チベットの高僧、鉛筆を転がす、針をゆらす-科学で確認
秘術 紙に「蚊」と書いて壁に張ると蚊が集まる-墨に仕掛け
金庫の金を移動させる-物理的に無理のない方法
〇四印 後からの経典ではなく、お釈迦様から直接出たもの
○諸行無常 常=永久
○諸法無我 我=自性 バラモン教-魂=我 釈迦-否定
○一切皆苦
○寂静涅槃 悟り ユング-無意識・意識(フロイド心理学の概念) 中国-知行合一
悟り 悟りには訓練が必要 心理学-愛情も練習が必要
台湾の女性心理学者-女性心理に精通。女子学生の嫌われ者-知行不合一
死-誰でも必ず死ぬ。わかっていても恐がる。
〇四諦 苦 苦の内容-八苦=生苦・老苦・病苦・死苦・愛別離苦・求不得苦
集 苦の原因 怨憎会苦・五蘊盛苦
滅 苦の消滅
道 苦の防止
〇五蘊 色蘊 肉体的・生理的不満足
受蘊 眼受-視覚=見たものから受けるもの
耳受-聴覚=聞いたものから受けるもの
鼻受-嗅覚=嫌な匂いなど
口受-味覚
身受-触覚
想蘊 いやなイメ-ジなど
行蘊 何かを決めなければならない-結婚など
識蘊 他人を傷つけた思い出など 残留孤児-妹を置き去り
〇集 五蘊以外に三毒
瞋-
三毒 痴-欲しいものが諦め切れなくてだらだら続く
怨-
三学 戒・定・慧
五戒 悪い事をしない
八正道-苦しみの解消
正見・正思・正語・正業・正命・正勤・正念・正定(悟り)
正=一止 適正
例:正語 釈迦-喜ばせる一言も、怒らせる一言も費やす努力は同じ
孫語空の神通力-須菩提から学ぶ=釈迦十大弟子 解空第一
釈迦-バラモン教と論争 我・アートマンはあるない-水掛け論
釈迦の死後「倶舎論」五位七十五法 この世に存在するものは全て含まれる。
ここにないものは存在しない-アートマンはない。
先験知識-他界=神・霊魂 世界中共通 バラモン教 梵我一如
経験知識-錯覚も含む 経験知識が先験知識より優れるとは限らない
仏教-実用化・再現性を重視
西遊記
孫悟空が神通力を身に付け帰ってくると「混世魔王」がサル達をさらう
混世-けじめなくダラダラ過ごすこと
竜樹の「中観論」-物事には自性がなく、何であるかは「空」(関係)である
釈迦-縁起=空 「ア-トマン」と「空」の概念-新興宗教=曖昧
釈迦-「愛」を否定-執着→愛別離苦
佐橋法竜-死は必ず来る-愛の喜びの方が大きい
十二縁起-釈迦、空の概念の雛形を既に作っていた。
無明
→行 過去二因 男女のする馬鹿なこと
識
名色
六入(受) 現在五果
触
受
愛
取 現在三因 又、次の世代に対してする馬鹿な事→無明・行
有
生
老死 未来二果
孫悟空-如意棒・生死簿 仏教に入る動機=如意・長生
輪廻-六道 天 悠々自適
人 普通
阿修羅 得られないものを必死に追いかける-渡辺美智雄
餓鬼 最低の生活以下
畜生 人間のしない事をせざるを得ない
地獄 命の保障がない状態
人が死んで豚に生まれ変わる?
ひいじいさんが、豚に生まれ変わったときに「我」がなかったら
それがひいじいさんかどうか分からない。
時効-人間の細胞は十五年ですべて新しくなる。
アートマン(我)がなかったら同じ人間かどうかもわからない。
「空」論の限界→「識」論へ
<次回へ続く>張明澄 南華密教講座 第2回《中道・倶舎・中観・唯識》講義録
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