栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

日曜の重賞回顧~うなりをあげるBull Lea

2013-11-03 17:17:38 | 血統予想

東京11R アルゼンチン共和国杯
◎8.ムスカテール
○16.アドマイヤラクティ
▲15.エックスマーク
△3.ルルーシュ
×17.マイネルマーク
注7.メイショウナルト
ムスカテールには目黒記念も日経賞も日経新春杯も、昨年のAR共和国杯も◎を打ってきたし、母母のところにトップヴィルやレリアンスといったアウトサイダー血脈が入って、トップガン産駒としては最高の配合だと書いてきた。ルルーシュとは1勝1敗だが、トップガン産駒でこの配合ならば成長力ではこちらが上回るはずだから、東京2500mならばもう負けることはないと思っている。メイショウナルトは母父の母父リヴァーマンの影響が強く2000mベストに思えるので、ハーツクライ産駒ならばアドマイヤラクティのほうを上位視したい。

京都11R みやこS
◎3.ブライトライン
○5.ケイアイレオーネ
▲6.ローマンレジェンド
△16.ヴァンヌーヴォー
×11.インカンテーション
×14.グレープブランデー
注2.タイムズアロー
注9.ナイスミーチュー
ローマンは胴長のスペシャルウィーク産駒でベストは東京2100mか中京1800mだと思っているが、京都1800mで59を背負うとなると昨年のようにパーフェクトに捌く必要があるだろう。グレープブランデーはナスキロ柔いので広いコースと軽い馬場が合っているが、陣営はここを叩いて次が完調と言っている。インカンテーションはエーピーインディ系らしい胴長体型だが、母系のパワーの血もオンになっていてベストは坂のある中京か。ナイスミーチューやグランドシチーはロベルト系のパワーで走るのでどちらかというと京都より阪神向きで、となるとエルムSは直線でポケットに入ってしまったブライトラインが、フジキセキにナスキロを重ねた配合で芝でもオープン級の能力があるだけに、京都の軽いダートは合っているし好位捲りでいけるのではないか…という結論に。

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「1000m通過は61秒台」という実況、よしよしこれぐらい流れればムスカとラクティで決まるだろう…とほくそ笑んでたんですが、直線は真っ先に脱落したのはムスカのほうで、持続力勝負になってラクティがルルーシュを交わしたのは順当とはいえ、その内からスルスル抜けてきたのはまたまたビックリのアスカクリチャン

「サラブレ」編集のKさんは血統にも詳しくて(古くは「週刊競馬通信」の読者だったとか)、このブログも読んでくださっていて、詳しいだけに私の原稿にも鋭いツッコミが入りまくるので、シンドイですけどいつも勉強になるのです

前にルルーシュのことを「ゼンノロブロイ×Highest Honorというのは、女性的でちょっと線の細い血統だ」と書いたら、「女性的とはどういうことなのか、もうちょっと読者にわかるように書いてください」とビシッと突っ込まれて、う~んそのへんの表現を説明するのは私の実力ではなかなか難しいのですが、ようするにやってることはサンデー×トニービン×Lyphardのハーツクライとおんなじなんですが、ゼンノロブロイもHighest Honorも真の底力を問われるようなレースで頑張る血統じゃなくて、どちらも牝馬のほうに活躍馬が偏るような血で、そういう線の細さみたいなところを“女性的”と表現したわけです

あの絶妙のタイミングで抜け出して、パーフェクトな前受けで押し切れないところがまさに「女性的な線の細さ」で、今日のこの3着は、Hペースで流れてレコード決着となったJCで、一瞬凄い脚で伸びて止まってしまった父の3着と重なるものもありました

ちなみに次号の「サラブレ」では種牡馬ゼンノロブロイの小特集も書かせてもらっていて、そういう意味ではなかなかタイムリーな3着でもあったかなと

アスカクリチャンは配合そのものは特にほめるところはないのですが、あの背中も胴も長い体型はまぎれもなくNijinskyで、「おいコラ!スターリングローズ×ダイナレターでなんで東京芝2500mの重賞を勝つ馬が出てくるんや?血統屋はそこんとこちゃんと説明せんかい!」と言われましても、すんません…なぜかはわかりませんがマルゼンスキーやNijinskyがかなりONになってるみたいです…と言うしかないのです(^ ^;)

そもそもこの馬を七夕賞で狙ったのは「七夕賞はNijinsky持ちが毎年活躍する」というのが根拠だったわけで、そういうNijinskyらしさでAR共和国杯も勝ってしまったのだ、という後付けはできなくはないですが…

ブライトラインは前走と同じ轍は踏まない外捲り…というより、祐一が外に出したら馬がうなりながら勝手に捲ってしまったという感じ

何てうなってるのか耳を澄ましてみると、「こないだは前カベでうなれへんかったけど、俺は捲りの馬なんじゃあああっ!母母父がAlydarなんじゃあああっ!トモがBull Leaなんじゃあああっ!」とやっぱりうなってました(・∀・)

母母Thunder MaidがTurkoman(ワイドナーHなど北米G1を2勝、BCクラシック2着)の全妹でBull Lea5・5×5、ダート適性と捲り脚質はここが由来だと考えられますが、そのあたりは下記エントリも参照してください
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105023/

Turkomanといえばマコトスズラン~マコトギャラクシーの母系に入りますが、この母仔の中山向きの捲りもたしかにAlydarっぽい

インカンテーションはいつも書くようにA.P.Indy系らしいストレッチランナーなんで、コーナーに癖のないコースだと確実に伸びつづけますが、母母父Polish PrecedentがDanzigにBuckpasserにBetter Selfですからパワー型にも振れていて、だから急坂があったほうが追い込みやすいというところもあって、だから1800mなら中京>京都=新潟>阪神=中山じゃないかと私はみています

本番は阪神1800mですから、むしろ4,5着のブライアンズタイム勢が不気味ではないかとも

土曜のボツ予想~今まで黙ってたけど、俺はAlydarなんじゃあああっ!
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/0626f0c9127102025b80536390abceca

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日曜のボツ予想~ネオユニの相似配合

2013-11-03 10:59:31 | 血統予想

百日草は◎ピオネロ
母はアルゼンチンの3歳牝馬チャンピオンで、父も母も強いクロスを持たない緩い父母相似配合ですが、種牡馬ネオユニヴァースはこういう「競走能力を見せた繁殖との相似配合」が成功しやすい
母父Candy Stripesはペルーサの母父でもありますが、Halo≒Red God3×4とWild Risk7×5の影響でネオユニ産駒ながらストライドが伸びる走りで、この馬は外回りベターとみています

ユートピアは○ゴールデンナンバーが大人気ですが、1600mよりは1800mベターなところはあるだけにむしろスローのほうが差しやすいでしょう
馬体に実が入ってきた▲レイカーラも楽しみですが、ここはひねるなら◎サンブルエミューズじゃないかと
これもダイワメジャーにDrone、母がナスキロクロスですから東京向きの斬れはあるし、重賞レベルのペースで引っかかる馬は(引っかかるほどの加速力がある馬は)基本強いというのが私の考え
そういう気性だから休み明けこそが狙い目とも思えるし、スローを折り合えば芙蓉Sでの鋭い追い込み再現もありうるかと

長岡京は清水同様ティアップと△ノーブルディードの先行ならスローも十分、その直後の△ウエストエンドと△アルマリンピアと△ロードロックスターの立ち回り次第といったところ
オースミナインも▲エールブリーズも外1400mはベスト、ただし前走は上手くいったとはいえそれほど器用なタイプではないだけにこの人気で全面的に信用していいのかどうか、前走直線狭くなった☆マイネボヌールは母父マイネルラヴで夏馬疑惑もあるだけに、難しいですがここは◎シルクドリーマーの大外一気で
タニノギムレット×フジキセキというセイクリッドバレー配合で母母がSecretariat≒Sir Gaylord3×4、戦績どおり外1400mが最も斬れるタイプで、前走もゴール前の伸びは目を引くもの
京都Bは全体としてはイン有利ですが京洛なんかは外差し決着で、先週までのAほどインベタ一辺倒でもないようにみえるし、ここは展開が微妙だけにむしろ直線思い切って外に出したほうが結果オーライ…という可能性も

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