栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

第61回大阪杯回顧~“脚長Hyperion”迷いない早仕掛け

2017-04-02 17:31:35 | 血統予想

阪神11R 大阪杯
◎9.ディサイファ
○13.ヤマカツエース
▲5.キタサンブラック
△14.マカヒキ
×12.アンビシャス
注4.ステファノス
土曜の阪神芝は稍重だったが、Bコースになって時計は速くなった印象。マカヒキは2000mベストだと書いてきたし、良まで乾けば京都記念のようなことはないはず。キタサンは有馬と同じく、マルターズの番手で後続を意識したレース運びか。しかし小倉大賞典を猛ラップで逃げ切ったマルターズは、2000mならば行くだけ行くだろう。緩みないペースを想定したい。サトノクラウンは香港も京都記念も◎だったが、この馬は大箱の2400mがベストコース。2000mを60秒-60秒で追走するとたいてい凡走しており、内2000mの時計勝負だと持ち味が出しきれない可能性が高い。アンビシャスは昨年のノリの先行が最高だったが、陣営は後方で折り合って差す競馬を望んでいるようで、その乗り方ではG1で勝ち負けまではどうかと思う。ディサイファの母ミズナはドバイミレニアムの娘でグラスワンダーの近親で、凄いパワーを伝える繁殖牝馬だ。掻き込みの強い走りもグラスワンダーをほうふつさせるものがあり、だからディープ産駒でも斬れ味は並で、重賞勝ち二つはいずれも緩みないペースで上がりのかかる決着を好位抜け出しで勝っている(ドバウィ産駒のポストポンドもそんな脚質ですよね)。東京や外回りではG2でも足りない馬だが、阪神内回りで緩みないペースで流れれば、AJCCや札幌記念ぐらいのベストパフォーマンスが出せるはず。それでG1実績皆無の8歳馬が通用するかどうかだが、G1で通用するとしたらここだろう。

あと水曜に書いた「一言コメント」も再掲

アンビシャス:しなやかトップガン
キタサンブラック:脚長Hyperion
サクラアンプルール:Bull Lea飛節メジャー
サトノクラウン:柔斬インディジェナス
スズカデヴィアス:脚質転換玉虫
ステファノス:斬れパワー兼備2着3着
マカヒキ:しなやかパンドラ
マルターズアポジー:能力高両親父母相似
ミッキーロケット:胴短レーヴミストラル
モンドインテロ:黄金配合最長
ヤマカツエース:掻き込むDeputy
ロードヴァンドール:Ribot肩メジャー

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ブログのコメントにも書いたように、けっきょくパドックでも返し馬でも一番良く見えたのはキタサンブラックで、ブラックタイドをPrincely Gift的に脚長にした骨格、そして動かすと重厚かつ頑強で筋肉の質というか体質は実にHyperion的で、ほんとに“脚長Hyperion”と形容すべき馬に完成してきたんやなあ…と感心しながら見てました

ステファノスについては“斬れパワー兼備2着3着”と評しましたが、Burghclereのニアリークロスを持たないディープ牡駒ですから距離は1800~2000mぐらいがベスト、そして大箱でタメて斬れるし急坂小回りで立ち回れるし、大阪杯でも秋天でも香港でも同じぐらい強いというのがこの馬の長所であり、そして短所でもあるのかと…今日は川田が勝ち馬の直後で完ぺきに立ち回りました

レースはマルターズアポジーがそれほどビュンビュン飛ばさず、離れた3番手のキタサンで61秒-58秒ぐらいの前後半かな、ヤマカツエースは後方の組の中では4角の加速が最もよくて、展開は不向きでしたが掻き込み親父もまあ納得の3着でしょう(^ ^;)

マカヒキとアンビシャスはだいたい同じぐらいの脚で上がってきていて、今日のペースではあそこまでが精一杯でしたが、マカヒキは古馬になってパワー寄りの体質になりつつあるようにも見え、だから引き絞った弓をビュンというあの独特のしなりが、3歳時と比較するとちょっと影を潜めているようにも見える

アンビシャスは中山記念も大阪杯も上がり最速で、そらまあ後方でタメてるので当然といえば当然なんですが、上がり最速をマークしましたという以外に収穫がないまま5歳の春を終えてしまうのか

パドックのサトノクラウンは実にしなやかな身のこなしでなるほど好調やと思いましたが、あれだけしなやかで脚が長いと内回りの4角を加速しながら回ってくるのは難しい

母系にSir Gaylord二つとMiswakiを持つサトノクラウン、母系にCozzeneとMiswakiとCaerleonとRivermanを持つミッキーロケット、この2頭は配合どおりナスキロ柔いストライドで走るので、内回り2000mの前残りを差すのはなかなか難しかったといえますが、にしてはそんなに負けてないともいえます

ディサイファも不得手な後傾ペースになったわりには頑張ったと思いますが(^ ^;)、いつも書くようにどんな条件下でも同じぐらい強い馬なんてなかなかいないわけで、それだけにいつでもどこでも同じぐらいしぶといキタサンブラックの正横綱ぶりは際立つし、なぜいつでもどこでも同じぐらいしぶといのかは、以下のコメントに明らかですよね

「そうですね、ふつうの馬なら仕掛け早いんですけど」(Hyperionを完全に理解している人の勝利騎手インタビュー)

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日曜のボツ予想~急坂内回りを掻き込むラトロ肩

2017-04-02 09:49:17 | 血統予想

昨夜はちけさんやメタボ博士とオジオコで深夜まで飲んでたんですが、そこに偶然とてつもない血統オタクな女性がいらっしゃって、「高校生のときに配合史も血統大系も買いました」「CollarとOrmeの同血クロスに感動しながら読んでました!」と握手されてしまい、いや~凄い女子高生がいたもんやと(^ ^;)





リキさん自慢の癖になる担々麺

伏竜はブリンカー着用で連勝中の◎リゾネーター
父BlameはBCクラシック(米G1・ダ10F)とスティーヴンフォスターH(米G1・ダ9F)とホイットニーH(米G1・ダ9F)の勝ち馬で、Northern Dancer4×4、Bramalea≒Gold Digger4×4、Nashua≒Nantallah5×5・5、Raise a Native5×4、Courtly Dee≒Busanda4×5と猛烈な父母相似配合



そこに強いクロスを持たない母をもってきた教科書どおりの緊張→緩和で、自身はAlydar5×4ですから中山を捲る血には事欠かない配合、ここも4角先頭でいけるのではないかと

「アイルハヴアナザーは牡をダ1800mでだけ買ってれば儲かる」とよく書いていますが、土曜もコトブキホークとマイネルブロッケンが力走し、これで牡のダ1800成績は[8-4-4-32]で単回値175複回値136、○ハイパーノヴァも中山に戻ってヒヤシンス3着よりパフォーマンスを上げてくるはず

▲グランドディアマンは母がSecretariat≒Sir Gaylord3×4で母母がTom Fool≒Attica2×2、母方は高速ダート向きの血なので重馬場なら食い下がれそう

あとはコパノリッキーと同じく母系にMr.Prospectorとリアルシャダイが入るゴールドアリュール黄金配合の☆サンライズノヴァ、1800mに延びた△ブルベアバブーンまで

安房は中山2500ならまたまた捲れるステゴ産駒の争いだろう…ということで出馬表をみたら捲るステゴだらけ(^ ^;)しかしここは見た目に先行馬が少ない

このメンバーならば◎ケージーキンカメは好位で運べるだろうし、キンカメ産駒でMr.ProspectorとNijinskyのクロスだとストライドで走りそうですが、母母ケージープリンセスはプレイメイト=Numbered Accountの全姉妹クロス3×3で、この名繁殖姉妹はBusanda≒Strikingの3/4同血クロス2×3で、キングカメハメハの母系に入るSex Appealも同じ3/4同血クロス2×3









ようするにケージーキンカメはSex Appeal≒プレイメイト=Numbered Accountのニアリークロス5×5・5を持つわけで、硬いパワー体質や立った肩はここ由来

斬れ味皆無のパワー掻き込み走法なので阪神の急坂が合うのですが、急坂内回りを好位で立ち回れればもう一つ二つ前の着順を狙えるのではないか、と

他のレースはぼちぼち考えますが、「No.1予想」では大阪杯を、「厳選予想 ウマい馬券」では大阪杯とマーガレットSを予想していますので、日曜もよろしくお願いします

コメント (57)
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