第2章 東アジア各国の戦力 北朝鮮
2000年代 1
北朝鮮は弾道ミサイル開発と核開発に力を入れている。
北朝鮮は1980年代半ばまでに、
ソ連の開発したスカッド弾道ミサイルを改良した
スカッドBミサイル、
スカッドCミサイル
を
配備、
韓国と日本の本州西部、九州北部の脅威となってきた。
1992年
には
射程距離1300km
の
ノドン1号
の
開発に成功し、
1993年
には
日本海・能登半島沖にノドン1号
の
試射
を
おこない成功、
日本に対する脅威は非常に強まった。
ノドン1号
は
すでに200基
は
配備されている模様である。
さらに
1998年
には
日本国土を超えるかたちで
テポドン
を
試射した。
テポドン2、
ムスダン
など
より射程の長い弾道ミサイルも開発中である。
発射プラットフォームは移動式で発見は困難である。
北朝鮮は早い時期から化学兵器、生物兵器を保有していた。
1994年
の
国際原子力機関(IAEA)
による
北朝鮮国内の原子力施設
への
特別査察
を
拒否、妨害
し、
核兵器開発への疑念は深まった。
ジミー・カーター元大統領の訪朝
と、
ビル・クリントン大統領
の
米朝合意
によって
北朝鮮
は
石油供与
軽水炉型原子力発電供与
と
引き換え
に
黒鉛減速炉型原子力発電所の廃止
を
受け入れた。
北朝鮮
は
核開発を中断する
と
約束したが、
ジミー・カーター元大統領とビル・クリントン大統領
の
北朝鮮への甘い態度
は、
北朝鮮の核開発継続
を許し、
北朝鮮
は
黒鉛減速炉
から
プルトニウムを抽出
し、
核爆弾の製造をおこなった。
また、
化学兵器、
生物兵器
の
配備にも力がそそがれ、
すでに保有、配備したものと考えられている。
北朝鮮
の
総兵力は110万人、
そのうち
陸軍が100万人、27個師団
である。
主な装備
は
旧ソ連の戦車がベース
の
「暴風号」戦車、
「天馬号」戦車、
旧ソ連
の
T-62戦車、
T-54/55戦車
が
3500両、
歩兵戦闘車4000両、
自走砲4500門、
野砲7000門、
多連装ロケット発射システム2400両、
重迫撃砲9000門で、
機甲化、機械化、防弾化、自動車化はある程度進んでいるとみられる。
北朝鮮・朝鮮人民軍の陸軍は非武装地帯DMZ周辺に全戦力の70%以上を配置する。
北朝鮮
は
朝鮮半島において
正規戦力では数的に圧倒しているものの、
近代化された韓国軍、合衆国軍
には
正規戦で対抗できない。
北朝鮮
は
韓国
で、
朝鮮労働党作戦部の工作員
に
指導される
主体思想主義の韓国人ゲリラ部隊結成、
親北朝鮮の韓国人ゲリラ部隊結成
を
準備している。
北朝鮮
は
西ドイツの商社を利用
して、
マクドネル・ダグラスMD500ヘリコプター
を
87機購入した。
マクドネル・ダグラスMD500ヘリコプター
は
合衆国陸軍マクドネル・ダグラスMH-6リトル・バード、
韓国陸軍マクドネル・ダグラスOH-6カイユース
と
同じ形の民間型
で、
北朝鮮
は
マクドネル・ダグラスMD500ヘリコプター
を
韓国陸軍マクドネル・ダグラスOH-6カイユース観測ヘリコプター
の
塗装と同じ塗装にして運用している。
朝鮮労働党対外連絡部
は
工作員
を
長期にわたり
日本、韓国
に
潜入させ、
工作活動、情報収集
を
実施している。
また
朝鮮総連への指導
や、
工作のためのダミー会社設立
を
担当している。
朝鮮労働党統一戦線部
は
資金調達
を担当、
労働党対外連絡部
は
朝鮮総連
など
外国北朝鮮人組織への指導
を
担当する。
労働党作戦部
は
工作員浸透、
要人拉致・暗殺
を
目的とし、
対韓国に3000人~1500人、
対日本に500人
が
配備されている。
朝鮮労働党対外連絡部の工作員
は、
日本人と在日韓国人
に
親北朝鮮派
を醸成し、
親北朝鮮派
だけではなく
主体思想派
を育成する。
北朝鮮の主体思想本部
には
沖縄県教職員組合の主体思想研究会の寄贈プレート
が
目立つところに飾られており、
沖縄県教職員組合以外
に
日本各地にある教職員組合の主体思想研究会、
大学の主体思想研究会の寄贈プレート
が
飾られている。
金日成、金正日など金一族
を
尊敬する日本人、
在日韓国人の主体思想派
も
多少は存在する。
労働党35室(対外情報調査部)
は
情報収集
とともに、
拉致活動、
テロリズム作戦、
長期潜入工作活動
をおこなう。
労働党35室
の
隷下に、
偽造パスポートを利用して日本・韓国に潜入する
直接浸透課、
南北間の交流においての工作活動をおこなう
南北会談課、
海外出張・海外留学の日本人、韓国人
への
接触、浸透、工作をおこなう
海外担当課、
韓国、日本の国情の情報収集、調査、評価、研究
をおこなう
南朝鮮研究所、
北朝鮮の工作活動を支援する団体(朝鮮総連など)
を管理する
外郭団体課
がある。
労働党35室(旧・対外情報調査部)
の
主任務
は
日本、韓国以外の国
で
外交官の身分を利用して、
北朝鮮大使館を拠点
に
日本人、韓国人の拉致、
情報収集、
工作
を
展開する。