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絵本の楽屋   by 夏野いばら

「ぐるんぱのようちえん」                   西内みなみ:作 堀内誠一:絵 こどものとも傑作集

規格外の苦しみと喜び

私たちは一人ひとり、神に造られた存在、被造物だ。
旧約聖書の中の、ダビデが神に捧げた詩に、こう書かれている。
 
 「それはあなたが私の内臓を作り、
 母の胎のうちで私を組み立てられたからです。
 私は感謝します。
 あなたは私に、奇(くす)しいことをなさって
 恐ろしいほどです。
 私のたましいは、それをよく知っています。」 詩編139編13、14節

しかし、ぐるんぱの場合、問題があった。
彼は「とっても大きなゾウ」。規格外に大きかったのだ。

創造者としての神の存在を認めるかどうかはともかく、私たちは誰でも、大なり小なり、どこか規格外である。自分の何かが、過剰だったり、足りなかったりすることに、苦しんでいる。

だから、規格外のぐるんぱと旅を共にすると、その苦しみが、胸にせまってくる。

しかし、さいごの頁にひろがっているのは、それぞれに規格外れの被造物たちが、被造物であることを共に喜んでいる光景。それは、まさに、天の御国のような。

だから、これは、私たちの憧れの物語。
私たちは、みな、この最後の頁を目指して、旅の途中にある。
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