平成28年度舞賞授賞作品
授賞者:影山恵氏(右)、左は山西雅子主宰
記念集合写真(撮影:前田和男)
第2回目となる平成28年度「舞賞」は、若手の"影山恵"氏が受賞した。影山氏は、舞俳句会発足時代からの会員で、現在、結社誌「舞」の製作スタッフとしても活躍している。受賞発表は、7月10日発行の舞誌「夏期特別号」で紹介され、8月4日の本部句会日に記念品等の授与がされた。上記合同写真は、本部句会に参加した全員を撮影したものである。当然の事ながら、筆者は寫っていない。
受賞作品について、神野紗希氏が、「影山 恵論 ジャングルジムから見る世界」と言う一文を寄稿され、「影山氏の句は比喩や発想が独特だ。それはつまり世界の見方が独特ということである」と評されている。
(影山 恵受賞作品)
さへづりや練り歯磨きに小さき尾
いぢわるを言つてしまひぬ犬ふぐり
顔ぢゆうで猫あくびをす子猫もす
春昼の垣根に猫と尾と消ゆる
たましひに尾あり震へて蝌蚪となる
首夏の日蝕あふぎて埴輪めく我ら
ロボットの乳房の尖り梅雨曇り
ゴスロリ少女の磁気めく肌や街薄着
白南風や大魚の放つ晻の声
迷いこむ書庫のごとくに青葉谷
したたりしたたるしろがね色ふふみ
芝に寝まる裸の男背に獵
ほほづきを吹きあにあねに遅れたる
切除せし乳房やや惜し桃を食ぶ
鶏頭の首に種あり痒からう
秋空に電線くちびるにビアス
天上天下唯我毒毒毒茸
堰口に揉みあふひかり冬近し
冬木の芽チヨコレイトと階のぼる
プリンター「賀「賀「賀「賀「賀「賀と賀状書く
(以上20句)
神野氏が指摘されているように、全体を通して理解困難な比喩や発想に満ちている。此処の句についての解釈をするには作者の解説を聴く必要もあるように感じられる。読み解くのが難しい。俳句は、投句した時点で読者の解釈にまかされる、と言う原則に則り自由に読解して頂きたい。
(平成28年12月6日記)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます