ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

ベラルーシ最初のコロナウイルス感染者

2020-03-01 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2月27日ベラルーシ国内で最初のコロナウイルス感染者が確認されました。
 ベラルーシ人でもベラルーシに居住している人でもなく、イラン人留学生です。(男性。おそらく20代。年齢の正確な発表なし。)
 2月22日アゼルバイジャンのバクー経由でベラルーシ国内に空路入国。
 ベラルーシは中国からの入国者に加え、2月20日からイラン、韓国、イタリアからの入国者に対して、入国時に検査を実施していました。(日本は対象国に入っていません。)
 22日に入国したイラン人留学生の結果が27日に出て、コロナウイルス陽性だったそうです。
 入国したときは、熱などの症状はなかったそうです。
 留学先の大学は、ベラルーシ国立技術大学です。
  
 症状は軽症で、このイラン人はミンスク市内の感染病専門病院で隔離されています。さらにこのイラン人と濃厚接触した疑いのある人も同じ病院の隔離病棟に収容されました。今、検査をしているところだと思います。人数などは発表されていません。
 検査結果が分かってすぐに、このイラン人学生と、いっしょに大学で勉強していたグループの学生は全員、検査をするために病院へ。
 いくつかの病院に分かれたらしく、一つはミンスク市内ではない、ボロブリャヌィ市にある大きな病院(元々軍人用の病院)に運ばれた学生もおり、スマホで病院内を撮影したりしているようなのですが、その学生が言うには、「病院内にはたくさんの人がいる。」(検査対象者になった学生や飛行機の同乗者などがたくさんいる、と言うことでしょうか。)
 対応している係員は全員防護服に身を固めている様子です。

 さらにこの大学のベラルーシ人学生で、地方出身者の一人が、偶然実家にいたときに、イラン人留学生の感染が判明したらしく、家で寝ていたら今日の朝4時と6時に電話が学部長名でかかってきて、「大学の授業に出ないように。そのまま自宅待機せよ。」と言われたそうです。
 もうしばらくしたら、医者(と救急車)が来て、検査のためにボロブリャヌウィの病院に連れて行かれるそうで、それが来るのを家で待っている状態だそうです。
 またこのイラン人学生の試験監督をした大学の先生も検査のため、病院に連れて行かれて、その結果待ち状態。
 それ以外のこの大学の教職員は通常勤務をしているそうですが、学生のグループ授業は今のところ休講しているそうです。明日からは閉鎖になるらしいです。

 イラン人学生は、今回初めてベラルーシへ留学に来たのではなく、前々から留学していたそうで、直近ではイラン人留学生といっしょに一つのアパートを共同で借りていたおり、現在この同居していた留学生も全員入院中です。
 
 この一報を報じたベラルーシの一部マスコミは、2月22日に飛行機でバクーからミンスクへ入国した人(このイラン人と同乗していた人)で、この記事を見た人で、取材協力してくれる人は記者までメールでご一報を! と探しています。
 インタビューしたいようですね。それより、検査を勧める方がいいですよ・・・
 (と書き込んですぐ、すでに同乗していた乗客のインタビュー記事が出ました。この飛行機は満席だったそうです。)
  
 一方で、マスコミから勧めなくても、ベラルーシの保健所が、このバクー・ミンスクの飛行機の乗客名簿をしっかり把握しているはずです。
 ただ、イランからバクーを経由してミンスクに来た人は検査をしていても、バクーからミンスクに入国した人にはウイルスの検査はしていません。
 ですから、今すぐイランなどに行ってなかったけど、この同じ飛行機には乗っていた、という人は急いで検査するよう、ベラルーシの保健所から今日、要請が来ているはずです。
 検査を断ったりしても、強制的に検査を受けさせる国ですよ、ベラルーシは。
 結果の発表が心配です。

 2月28日の夜の書き込みです。
 上記イラン人留学生の大学の28人の大学生と7人の教員が検査入院しているそうです。今のところ、誰にも発熱などの症状は出ていないそうです。
 これらの大学生が入寮している学生寮は出入り制限措置を取られています。
 
 今日になって、他の大学のベラルーシ人学生に感染疑いが一人出ており、検査中だそうです。
 
 さらにイタリア旅行に行っていた家族がポーランド国境に近いブレストの病院に検査入院したそうです。この一家はミラノに滞在中、イタリア人感染者との接触の可能性があったため、イタリアからポーランドまで移動した後で、ポーランドにあるベラルーシ大使館に連絡し、その後公共交通を使用しないように言い渡され、大使館が用意した車でベラルーシ入り。入国してすぐに検査入院しました。まだ結果は出ていません。

 2月29日の書き込みです。
 ベラルーシのミンスクにある複数の大学の学生寮が自主的に関係者以外の立ち入りを禁止しています。 
 入寮している学生は通常通り出入りしていますが、部外者の大学寮の内部は立ち入り禁止になっています。
 これは各大学の自主的な判断であり、ベラルーシ保健省の指示や命令などではありません。

 上記、ベラルーシ国立技術大学の学生のうち、イラン人留学生の感染が発表された時点で、偶然実家に帰宅していた地方出身者の学生は、3月15日までミンスクに戻らないよう通達されました。

 ベラルーシで最初の感染者が現れたことが報道されてから、半日で、ベラルーシ国内でマスクが7万枚買われたそうです。
 薬局では売り切れているところが出てきました。また消毒液も品薄になってきました。
 殺菌効果のあるウエットティッシュやハンドソープなども品薄になりつつあります。
 マスクについては、ベラルーシ保健省は、毎日、1日で20万枚のガーゼマスク、4万枚の使い捨てマスクを薬局に卸すと発表していますが、それと同時に、マスクをしていても完全な感染予防を保証するものではありませんとも発言しています。
 このマスク供給ですが、ベラルーシには国営系の薬局と民間経営の薬局の2種類があり、上記の数のマスクの供給は国営系薬局だけに限られるそうです。
 またマスクは医療従事者に優先されるとも発表。(これももちろん国立国営の病院、診療所が供給先という前提。)
 民間の薬局や診療機関での供給は、経営者がそれそれ決めることで(ベラルーシ政府は知りませんよ。)とベラルーシ保健省は発表しました。

 マスクの品薄状態、そして価格引き上げの可能性はとても高いです。(商品の価格統制も国が主導で行っています。)
 ただ、ベラルーシはもともと、あまり人混みで一般人がマスクをする習慣はないです。

 2月29日夜の書き込みです。
 未確認ながら、ベラルーシ国立技術大学のイラン人留学生のうち、第1号感染者とは違う留学生が感染疑いのため、今日検査入院したそうです。この学生は寮で生活しており、その量も検査を受けた模様です。
 ベラルーシの大学はマンモス大学の場合、学生寮をいくつも持っているので、そのうちの一つの寮が立ち入り検査を受けたようです。

 よく考えたら、学生寮は、大勢の人間が密度の高い部屋の中で集団生活をしており、共有スペースもあるので、集団感染しやすい環境にありますね。リスクの高い場所の一つと言えます。

 さらにミンスクの地下鉄ぺトロフシチナ駅の近くに、通称「学生街」と呼ばれる一角があり、そこに学生寮が集中しています。ミンスクにあるほとんど全ての大学が、その学生街の中に寮を持っており、異なる大学の学生の交流ができる場所としてはとてもいい考えの都市計画の一つなのですが、今回イラン人留学生(感染者2号???)が入寮していた寮もその学生街の中にあります。
 日本人留学生もこの学生街の中にある寮に入寮していることが多いので、心配ですね。

(すみません、上記の記事の中で、一部大学名を間違えていたので、正しく書き直しました。)

 3月1日の書き込みです。
 最初の感染者となったイラン人留学生といっしょに勉強していた学生と大学の教員は、全員の検査結果が分かりました。
 全員陰性でしたが、2日箇所の病院に分かれて、2週間の隔離措置を受けることになりました。1日に2回検温をして、発熱やその他症状が現れないか経過観察されるそうです。
 大学はすでに閉鎖されていますが、かわいそうですね。しかし陰性の結果でも、しばらくして陽性の結果が出たり、無症状のまま感染させる可能性があるので、仕方がないのかもしれません。