ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

ベラルーシのコロナウイルス感染者86人に。ベラルーシルーブル下落して新車の売り上げ増

2020-03-26 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 3月26日の書き込みです。
 前日25日のベラルーシ保健省の発表ですが、ベラルーシのコロナウイルス感謝数が86人になりました。
 ベラルーシでは休校措置もなく、30日から予定通り1週間の春休みが始まります。
 買い占め騒ぎもなく、国境封鎖もなく、国内での人の移動も制限はありません。

 ベラルーシルーブルの価値は下がり続け、ここ2日はやや上がったものの、これからも下がり続けるだろうと思っている人が多いようです。
 ベラルーシは多くの物を輸入に頼っています。ベラルーシルーブル安になると輸入品の値段が上がります。
 そこまでは分かるのですが、ベラルーシでは商品の価格を自由に設定できないシステムになっているので、今日はこの商品は1個この値段で売るのが妥当、と思っても、新しいを値札をつけられないのです。価格をあげる場合はどんな値段にするのか、国に報告と許可が必要です。その手続きのために数日かかるので、その間は、旧価格のままの値札がついたままになります。
 そして自営業以外の職種の給料も物価高に合わせて上げられるのですがすぐ給料日が来る訳でもないので、
「あ、ベラルーシルーブルが急激に安くなった! 輸入品がもうすぐ高くなる! 今の値段のうちに今の給料で買っておこう! 昔の給料をためた貯金を今こそ引き出して買っておこう!」
と多くの人が考えます。日本でも
「明日から消費税が値上げされる! 今のうちに買っておこう! 保存が効くもの、いつも使う物優先に。」
と考えて、買いだめする人が多いですよね。それと同じです。
 ベラルーシではこういう経済危機(ベラルーシルーブル急落に伴うスーパーインフレ)が2011年7月や1998年秋にありました。
 例えば、2011年7月の場合、1ドル2000ベラルーシルーブルぐらいだったのが、朝起きると、5000ルーブルになっている。数日後には8000ルーブルに。
 ベラルーシ人は店に殺到。
 保存がきいて、しかもベラルーシ人が大量消費する物からなくなり、棚は空っぽに。一番最初に亡くなったのは、砂糖、植物油(ウクライナからのひまわり油が多い。つまり輸入品。)、紅茶、コーヒー(どちらもベラルーシで栽培されていない。)チョコレート(原料のカカオマスは輸入品)・・・
 次に前から買おうと思っていた高い電化製品、車、マンション。インフレが始まったら、どんな値段がつくか分からないので、今のうちに。そして価値の下がったベラルーシルーブルたくさん持ってたって仕方がないから、今のうち物に交換しとけとばかり、ありとあらゆる保存が効くもの、腐らないものを買う人がいました。酢、絨毯、冷蔵庫を6台買ったおばあさんがどこかの村にいましたね。
 持病があり、常に薬を飲まなくてはいけない人は薬局に殺到。長蛇の列。紙おむつもベラルーシでは製造されておらず全て輸入品なので、その当時赤ちゃんのいる家庭は大変だったと思います。
 新しい価格が定められ、値段が高くなると、このような騒ぎはおさまりました。
(ちなみにこのときの私は東日本大震災と福島第一原発事故のせいで言葉では言い表せないぐらい大変な日々を送っていたので、買い物など時間がなくて全く行けず・・・。)

 このようなベラルーシの経済危機の騒ぎを経験しているベラルーシ人は、コロナウイルス が流行して、非常事態宣言が出て、自宅待機になり、買い物できなくなるかもしれないから、トイレットペーパー買っておこう・・・という発想にはならないようです。トイレットペーパーはベラルーシ国内で製造されているから。
 ベラルーシ人が考えているのは、コロナウイルス が流行して、中国やロシアと関係しているベラルーシ経済が下向きになると予想され、そのためベラルーシルーブルが急落し、輸入品の価格が急激に上がり、あるいはたくさん輸入できなくなって店頭から消えるかも。今のうちに輸入品買っておこう! ・・・とこうなっているようです。
 現在、ベラルーシでは外国からの輸入車、しかも新車販売数が急増しています。もう少ししたら高くなるから、せっかく今まで貯めた貯金の価値が下がる前に車を買っておこう、という発想ですね。
 風が吹けば桶屋が儲かる、ではないですが、ベラルーシではコロナウイルスが流行すると、輸入車が売れる、ということです。