ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

ベラルーシのコロナウイルス感染者94人に。

2020-03-27 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 3月27日の書き込みです。
 ベラルーシのコロナウイルス感染者数が94人になりました。このうち32人が退院しました。
 ベラルーシ保健省によると、国内の空いているベッド数は2221床で、十分にある、とのことです。
 また2万4000人を検査済みとしています。

 この他ベラルーシにはそばの実の在庫がたくさんあり、買い占めに走らないようにと国民を牽制。
 5か月分の貯蔵量があるそうです。5か月後には秋になっていて、つまり今年の収穫期が来るわけですから、常にそばの実はありますよ、と言いたいわけです。
 幸い、商店で買い占めなどの騒ぎはありません。

 5月9日の戦勝記念日もいつも通りベラルーシの各都市中心部で軍事パレードを行うと発表。特に今年は戦勝75周年目の年に当たるので、中止にしたくない気持ちは分かるのですが。見に行きたくない人は見に行かなければ良い、ということでしょう。

 ベラルーシではその他のイベントも行われていますが、行きたくない人は自主的にやめる、という感じです。
 国立オペラバレエ劇場でも、チケットを買っていたものの、払い戻しする人が増えています。
 また普段なら満席のところ、半分ほどの人の入りだったりする劇場も出てきました。
 
 ベラルーシの小中高校は3月30日から1週間、実質は28日から4月5日まで9日間の春休みに入りました。春休み中にいわゆる学童がベラルーシの小学校(4年生まで)は行われるのですが、今年は保護者が預けたくないという人が増えて、一グループあたりの児童数はとても少なくなるようです。学校にもよると思いますが、多くても10人ほどらしいです。
 問題なのは、この春休みは予定通り(今年の初めには決まっていた)なのですが、同じように予定通り4月4日土曜日を就業日にして、代わりに4月27日月曜日を休日にして、4月25日から28日まで4連休(28日は今年正教の祭日)にすると決めていたことです。
 ベラルーシではこのように例えば火曜日が祝祭日に当たると、月曜日を休みにして、その代わり、土曜日を一日就業日(登校日)にして連休にすることがあります。
 その土曜日は月曜日の時間割通り学校では勉強するし、交通機関も月曜日の時刻表を元に運行します。

 今年の4月4日土曜日も予定通り就業日になったので、親は出勤しないといけないのに、子どもは春休みで、小さい子はどこに預けたらいいの?という問題が出てきました。
 職場によって判断がされていると思います。
 隣のロシアでは来週1週間の有給休暇をとるようことになって(食料品店や薬局などは普段通り営業)プーチン大統領も「家にいましょう。」と国民に対して言っているのに、ベラルーシでは「今週は休日は日曜日1日だけです。6日連続働いてね。」になったので、その差が大きいように感じます。ただ、ベラルーシはコロナウイルス感染者数もロシアと比べると少ないし、し死者も出ていないので、何でも予定通りに粛々と進め、国民がパニックを起こしたり、ストレスを溜めたりしないようにするという方針のようです。

 さらにベラルーシではコロナウイルスが流行している国から帰国した人は空港で検査を受け、自宅で14日間自主的に自分を隔離してください、という呼びかけました。
 しかし、強制力はなく、また違反者に対する罰則なども全く決まっていませんし、今のところ決める予定もないそうです。
 日本と同じで優しいですね・・・。ある意味において、ベラルーシと日本は似ていますよ。

 ちなみにベラルーシの国営テレビの番組で、ベラルーシで感染者数が爆発的に増えない理由をこのように説明していました。
 ソ連時代、感染病の大流行が国内(ソ連)でもし発生した場合は、このように対処すべし、というマニュアルが感染病対策をする研究所できちんと作られていた。
 ソ連崩壊後、経済低迷により多くの旧ソ連諸国が、このような研究所を閉鎖したり、人員や研究を縮小した。
 しかしベラルーシでは研究所を(時期によっては細々とながらも)継続しており、今も機能している。
 コロナウイルスが流行し始めたときに、ソ連時代に作ったマニュアルを出してきて、その通り実行した。これが効果があって、今ベラルーシでは感染の急増は食い止められている。
 ・・・ということでした。
 自画自賛している部分もありますが、頷ける説明だと思います。
 もっとも重要なのは、一人の感染者が見つかったら、その濃厚接触者を全員24時間以内に発見してすぐ隔離することだそうです。

 一方でソ連時代には半ば鎖国状態で一般人は自由に外国へ旅行に行くことができませんでした。(その代わり地球の陸地の6分の1を占める広いソ連国内は自由に行き来できたので、それでいいでしょ? という感覚だった。)
 ところが今は飛行機での移動も発達し、外国へ旅行に出かけるベラルーシ人もソ連時代とは比べ物にならないぐらい増えました。
 その人たちが感染して、ベラルーシへ帰国する、つまり外国からウイルスを持ち込む場合はどうするのかという状況はソ連時代にはあまり想定されておらず、古いマニュアルに書いていないことが起こっていると思われます。
 今度は帰国者への対策をどうするか、ベラルーシの対応の行方が気になるところです。