ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

ベラルーシで4人目、5人目、6人目のコロナウイルス感染者

2020-03-04 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 3月4日、ベラルーシ国内4人目のコロナウイルス感染者が確認されました。ベラルーシ人だそうで、すでに感染疑いがあった人のうちの1人だそうです。
 確認される前から隔離されており、症状は軽症。他にも検査のため隔離入院している人の中で2人が感染の疑いありということで、再検査中だそうです。
 この感染者の詳細、年齢、性別、今までの行動など詳細は不明です。

 1人目はイラン人留学生で、22日にアゼルバイジャン経由で入国し・・・と報道は詳しく、2人目のビテプスク在住の女性は毛皮製品製造会社に勤務しており、同僚3人とイタリアのミラノで行われた見本市に出張し、3日間滞在し、ベラルーシへ帰国、発病した、など詳しい報道がありました。
 濃厚接触者はすぐに検査を受けています。
 ところが、3人目の感染者が認められたときには、ミンスクに住んでいる人というだけで、詳細は発表されませんでした。その理由を「医療従事者は患者の守秘義務があるから。」としていましたが、だったら、1人目と2人目の感染者についてはどうして詳細を発表したのでしょう?
 他にも感染疑いがあり隔離されている人(イタリアに旅行に行っていたブレストの3人家族、学校からイタリアに保養滞在していたゴメリ州の子どもの団体)たちのほうが詳しく報道されています。
 ところが3人目の感染者が確認されてから、ベラルーシの報道は詳細さが欠けています。

 3日にはビテプスク市内の学校で学級閉鎖が行われていることが報道され、その理由を校長が話すことを拒否していました。
 このニュースが流れてからしばらくして、同日ビテプスク市内の3箇所の学校で4つの学級が閉鎖されているという報道がされました。
 視聴者の予想通り、感染者2人目の女性がビテプスクの住民なので、その関係者、おそらくその人(それと、出張に同行した同僚2人の)子ども、合計4人が通う学級だけが学級閉鎖の対象になったそうです。
 感染者の女性の家族(夫と子ども)は検査結果は陰性だったそうです。

 休校は行わないとビテプスク州は発表していますが、上記の学級閉鎖がいつまで続くのかの言及はありませんでした。
 学級閉鎖のため登校できなくなった生徒は自宅学習をしており、スマホやネットで遠隔で時間割通り授業を受けているそうです。

 ベラルーシの報道機関は慎重になっているのか、よく分かりません。
 一方で、ロシアのテレビ局が、「ベラルーシで最初のコロナウイルスによる死亡者発生」というフェイクニュースが流れ、ベラルーシ保健省が否定し、ロシアのテレビ局が謝罪されるということが3日と4日にありました。このようなフェイクニュースやデマを流さないように、注意しているのかもしれません。ただ多くの患者が発生する可能性のある感染病の流行に関しては、情報を公開しなくてはいけないという決まりがあります。
 医療従事者の守秘義務のほうが優先されるのは説明としておかしいです。
 
 ベラルーシ人の間では、ただの風邪だと思って家で寝ている人の中に実は大勢のコロナウイルス感染者がいるのではないか、と思われているようです。
 ちなみにベラルーシでは、外国人の入国は拒否されていません。
 ただベラルーシ人が、イラン、イタリア、韓国に渡航するのは検討してくださいという注意勧告はしています。この中に中国が入っていないのが、親中国であることの表れでしょうか。日本も入っていませんが。

 2月大学の冬休みに合わせて中国に一時帰国していた留学生がベラルーシに再入国後、2週間隔離されていましたが、その期間も過ぎて、それぞれの大学に戻りました。もちろん地方都市の大学にも散らばりました。
 2週間様子を見て、発病しなかったんだし、大丈夫という判断です。

 3月4日午後の書き込みです。
 ベラルーシで完成の疑い濃厚だった2人の感染が確認されました。合計6人になりました。
 3人目以降の感染者の詳細、年齢、性別、感染ルートなどは発表されていません。ただ、この2人は発熱などの症状は一切ないそうです。

 3月4日夜の書き込みです。
 ベラルーシ保健省は、ベラルーシ国内での感染者のうち、1人目の感染者はイランで、2人目の感染者はイタリアで感染したが、その他の4人はベラルーシ国内での感染者であると発表しました。
 また現在、ベラルーシ国内で1万4500人が新型肺炎流行国からの入国者あるいは感染認定者との濃厚接触の疑いがある人として、検査、隔離、経過観察の対象者になっていると発表しました。
 陽性の結果が出た人が国内に6人しかいないのに、感染の疑いのある人をこんなにたくさん認定しているんですね。外国からの入国者、帰国者を拒否していないので、こうなるのだろうと思います。
 

ベラルーシでもマスクが品薄に

2020-03-04 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 ベラルーシでもコロナウイルス感染者が現れた影響で、薬局でマスクが品薄になっています。
 不織布のマスクはなく、ガーゼマスクは売られていますが、値段は6倍になりました。
 一方で、人ごみでマスクをしている人はほとんどいません。

 またその他の生活必需品や食料品の買占め騒動などは起きていません。
 不特定多数の大人数が室内で集まるイベントなども中止になっていませんし、映画館、博物館、図書館なども通常通りです。
 
 ちなみに日本文化情報センターがあるミンスク市立第5児童図書館では、感染者第1号が現れた2月28日にミンスク市役所から通達があり、現時点では通常通り、イベントなども中止しなくて良いということでした。
 3月2日月曜日には、図書館の入り口の掲示板に、「コロナウイルスとは何か。予防のためのアドバイス」というポスターが市役所から配布され、来館者用に掲示してあります。




ベラルーシで2人目と3人目のコロナウイルス感染者

2020-03-02 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2020年3月1日、ベラルーシで2人目のコロナウイルス感染者が確認されました。
 最近、イタリア北部に出張に行っていたビテプスクの3人のベラルーシ人うち、1人の女性が検査の結果、陽性と診断されました。
 他の2人は陰性だったそうです。現在この女性はビテプスクの感染病病院に入院しています。いつこの3人がイタリアからベラルーシへ帰国したのかは発表されていません。
 ただし、この3人とも症状は出ていません。

 3月1日現在で、ベラルーシで感染疑いのため入院しているのは3人だそうです。
 そのうちの1人はアゼルバイジャン人男性で、ベラルーシのゴメリ市に普段は住んでいるそうですが、2月22日、ベラルーシ国内での感染者第1号だったイラン人留学生と同じ飛行機に乗って、アゼルバイジャンのバクーからミンスクに入国し、その後ゴメリの自宅に戻ったそうです。28日に検査のためゴメリ市の感染病院に入院。
 もう1人はやはり同じ飛行機に同乗していたアゼルバイジャン人女性。ゴメリ州モズリ市在住者で、27日発熱を訴え、ゴメリ市の同じ病院に入院。2人とも検査結果はまだ出ていません。
 
 3月2日の書き込みです。
 ベラルーシで3人目のコロナウイルス感染者が現れました。しかしベラルーシ保健省は、詳細(年齢、性別、感染ルートなど)を一切公表していません。
 ただわかっているのは、3人の感染者のうち、2人はミンスク、1人は上記のビテプスクだそうです。
 つまりミンスクの2人のうち1人はイラン人留学生、もう1人が詳細不明の感染者第3号ということです。


ベラルーシ最初のコロナウイルス感染者

2020-03-01 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2月27日ベラルーシ国内で最初のコロナウイルス感染者が確認されました。
 ベラルーシ人でもベラルーシに居住している人でもなく、イラン人留学生です。(男性。おそらく20代。年齢の正確な発表なし。)
 2月22日アゼルバイジャンのバクー経由でベラルーシ国内に空路入国。
 ベラルーシは中国からの入国者に加え、2月20日からイラン、韓国、イタリアからの入国者に対して、入国時に検査を実施していました。(日本は対象国に入っていません。)
 22日に入国したイラン人留学生の結果が27日に出て、コロナウイルス陽性だったそうです。
 入国したときは、熱などの症状はなかったそうです。
 留学先の大学は、ベラルーシ国立技術大学です。
  
 症状は軽症で、このイラン人はミンスク市内の感染病専門病院で隔離されています。さらにこのイラン人と濃厚接触した疑いのある人も同じ病院の隔離病棟に収容されました。今、検査をしているところだと思います。人数などは発表されていません。
 検査結果が分かってすぐに、このイラン人学生と、いっしょに大学で勉強していたグループの学生は全員、検査をするために病院へ。
 いくつかの病院に分かれたらしく、一つはミンスク市内ではない、ボロブリャヌィ市にある大きな病院(元々軍人用の病院)に運ばれた学生もおり、スマホで病院内を撮影したりしているようなのですが、その学生が言うには、「病院内にはたくさんの人がいる。」(検査対象者になった学生や飛行機の同乗者などがたくさんいる、と言うことでしょうか。)
 対応している係員は全員防護服に身を固めている様子です。

 さらにこの大学のベラルーシ人学生で、地方出身者の一人が、偶然実家にいたときに、イラン人留学生の感染が判明したらしく、家で寝ていたら今日の朝4時と6時に電話が学部長名でかかってきて、「大学の授業に出ないように。そのまま自宅待機せよ。」と言われたそうです。
 もうしばらくしたら、医者(と救急車)が来て、検査のためにボロブリャヌウィの病院に連れて行かれるそうで、それが来るのを家で待っている状態だそうです。
 またこのイラン人学生の試験監督をした大学の先生も検査のため、病院に連れて行かれて、その結果待ち状態。
 それ以外のこの大学の教職員は通常勤務をしているそうですが、学生のグループ授業は今のところ休講しているそうです。明日からは閉鎖になるらしいです。

 イラン人学生は、今回初めてベラルーシへ留学に来たのではなく、前々から留学していたそうで、直近ではイラン人留学生といっしょに一つのアパートを共同で借りていたおり、現在この同居していた留学生も全員入院中です。
 
 この一報を報じたベラルーシの一部マスコミは、2月22日に飛行機でバクーからミンスクへ入国した人(このイラン人と同乗していた人)で、この記事を見た人で、取材協力してくれる人は記者までメールでご一報を! と探しています。
 インタビューしたいようですね。それより、検査を勧める方がいいですよ・・・
 (と書き込んですぐ、すでに同乗していた乗客のインタビュー記事が出ました。この飛行機は満席だったそうです。)
  
 一方で、マスコミから勧めなくても、ベラルーシの保健所が、このバクー・ミンスクの飛行機の乗客名簿をしっかり把握しているはずです。
 ただ、イランからバクーを経由してミンスクに来た人は検査をしていても、バクーからミンスクに入国した人にはウイルスの検査はしていません。
 ですから、今すぐイランなどに行ってなかったけど、この同じ飛行機には乗っていた、という人は急いで検査するよう、ベラルーシの保健所から今日、要請が来ているはずです。
 検査を断ったりしても、強制的に検査を受けさせる国ですよ、ベラルーシは。
 結果の発表が心配です。

 2月28日の夜の書き込みです。
 上記イラン人留学生の大学の28人の大学生と7人の教員が検査入院しているそうです。今のところ、誰にも発熱などの症状は出ていないそうです。
 これらの大学生が入寮している学生寮は出入り制限措置を取られています。
 
 今日になって、他の大学のベラルーシ人学生に感染疑いが一人出ており、検査中だそうです。
 
 さらにイタリア旅行に行っていた家族がポーランド国境に近いブレストの病院に検査入院したそうです。この一家はミラノに滞在中、イタリア人感染者との接触の可能性があったため、イタリアからポーランドまで移動した後で、ポーランドにあるベラルーシ大使館に連絡し、その後公共交通を使用しないように言い渡され、大使館が用意した車でベラルーシ入り。入国してすぐに検査入院しました。まだ結果は出ていません。

 2月29日の書き込みです。
 ベラルーシのミンスクにある複数の大学の学生寮が自主的に関係者以外の立ち入りを禁止しています。 
 入寮している学生は通常通り出入りしていますが、部外者の大学寮の内部は立ち入り禁止になっています。
 これは各大学の自主的な判断であり、ベラルーシ保健省の指示や命令などではありません。

 上記、ベラルーシ国立技術大学の学生のうち、イラン人留学生の感染が発表された時点で、偶然実家に帰宅していた地方出身者の学生は、3月15日までミンスクに戻らないよう通達されました。

 ベラルーシで最初の感染者が現れたことが報道されてから、半日で、ベラルーシ国内でマスクが7万枚買われたそうです。
 薬局では売り切れているところが出てきました。また消毒液も品薄になってきました。
 殺菌効果のあるウエットティッシュやハンドソープなども品薄になりつつあります。
 マスクについては、ベラルーシ保健省は、毎日、1日で20万枚のガーゼマスク、4万枚の使い捨てマスクを薬局に卸すと発表していますが、それと同時に、マスクをしていても完全な感染予防を保証するものではありませんとも発言しています。
 このマスク供給ですが、ベラルーシには国営系の薬局と民間経営の薬局の2種類があり、上記の数のマスクの供給は国営系薬局だけに限られるそうです。
 またマスクは医療従事者に優先されるとも発表。(これももちろん国立国営の病院、診療所が供給先という前提。)
 民間の薬局や診療機関での供給は、経営者がそれそれ決めることで(ベラルーシ政府は知りませんよ。)とベラルーシ保健省は発表しました。

 マスクの品薄状態、そして価格引き上げの可能性はとても高いです。(商品の価格統制も国が主導で行っています。)
 ただ、ベラルーシはもともと、あまり人混みで一般人がマスクをする習慣はないです。

 2月29日夜の書き込みです。
 未確認ながら、ベラルーシ国立技術大学のイラン人留学生のうち、第1号感染者とは違う留学生が感染疑いのため、今日検査入院したそうです。この学生は寮で生活しており、その量も検査を受けた模様です。
 ベラルーシの大学はマンモス大学の場合、学生寮をいくつも持っているので、そのうちの一つの寮が立ち入り検査を受けたようです。

 よく考えたら、学生寮は、大勢の人間が密度の高い部屋の中で集団生活をしており、共有スペースもあるので、集団感染しやすい環境にありますね。リスクの高い場所の一つと言えます。

 さらにミンスクの地下鉄ぺトロフシチナ駅の近くに、通称「学生街」と呼ばれる一角があり、そこに学生寮が集中しています。ミンスクにあるほとんど全ての大学が、その学生街の中に寮を持っており、異なる大学の学生の交流ができる場所としてはとてもいい考えの都市計画の一つなのですが、今回イラン人留学生(感染者2号???)が入寮していた寮もその学生街の中にあります。
 日本人留学生もこの学生街の中にある寮に入寮していることが多いので、心配ですね。

(すみません、上記の記事の中で、一部大学名を間違えていたので、正しく書き直しました。)

 3月1日の書き込みです。
 最初の感染者となったイラン人留学生といっしょに勉強していた学生と大学の教員は、全員の検査結果が分かりました。
 全員陰性でしたが、2日箇所の病院に分かれて、2週間の隔離措置を受けることになりました。1日に2回検温をして、発熱やその他症状が現れないか経過観察されるそうです。
 大学はすでに閉鎖されていますが、かわいそうですね。しかし陰性の結果でも、しばらくして陽性の結果が出たり、無症状のまま感染させる可能性があるので、仕方がないのかもしれません。