息子を抱く

長い長い旅だったね。
この世に出ようと決意して、ママとともに大冒険して、くじけることなく、怖がることなく、勇気をもってその道を進んできてくれたね。

ママも最後まで逃げなかった。ママの戦いは我が子とともにあった。この世に命を生み出すということはあまりに大いなることで、そう簡単にはいかない。

運命の部屋に僕もいることができて本当に幸せだった。
息子がこの世に出た瞬間、今まであんなにも苦しかった妻が笑った後に泣いた。奇跡だと思った。

大切にする。
大切にする。
大切にする。


そう胸に刻まれた瞬間でした。

君の旅の第二章が始まります。

7月22日、12:14

我が子に会うまで

我が子に会うまで、世界は止まっている。我が子に会うまで、すべてのことはよそ事に聞こえる。

もうすぐ妻の頑張りは喜びに変わる。もうすぐ我が子を抱くことができる。プレッシャーから解放される。そして新たなスタートが切れる。

いつになるか分からないけど、タイミングを見計らっているようにもみえる。きっと我が子にも考えがあるのだろう。

我が子の考えを尊重して、世界に飛び出したいタイミングでおいで。

歓迎の嵐だよ。
辛いこと嬉しいことがたくさんある人生のはじめに辛い思いをして生まれるんだから、次は嬉しいことが起こるね。

妻も子もみんな報われるよ！

そわそわ2日目

本日もスロースターターの二人と一匹。

本日は洗濯と部屋のお掃除。

出産前に家をすっきりさせようという気持ちと産後は俺一人で大変だろうからという妻の気遣いからか、とにかく二人でせっせと作業。

大きな行事の前の大掃除はそわそわが増す。自分でそうなのだから、妻はもっとだろう。愛犬はいつも通り振る舞ってくれ、見ていると落ち着く。

もうすぐその時がくるんだろうなぁと思うと同時に、来た後も変わらない平和や幸せが続くんだろうなぁという予感。

妻も言っていた。
豆之助が来たときも生活がガラって変わると思ったけど、人生変わるくらいの大変な変化はなかった。大変は大変だけど、「じゃあ豆は来ない方が良かった？」と聞かれると全然そんなことはなく、家族が増えて良かったと思っているから。

世間では出産＝大変。もうあんな思いしたくないとなっている。そして、その上、生まれた後の方が大変よー、なんて言われてしまい、これからの人に不安がつのるのも無理はない。

大事なことを言い忘れていないか。

生まれてきてほしいから出産する。
幸せになるために出産する。
二人が望んで出産する。
出産には多くの笑顔が伴う。

大変以上の幸せがある。だから、ママたちは頑張れるんじゃないか。

今日、夫婦二人と一匹で荒川の土手で柔らかな夕焼けをみた。オレンジ色と呼ぶには優しすぎるような淡い色。それをみると、家庭持って良かったなぁって感じる。ひさびさに豆之助がダッシュを求めてきたので夕日にダッシュしてみた。息子が大きくなるまでこの役割は引き受けましょう。それまで元気でいてね、豆之助。君なら大丈夫！

夕飯はそわそわを吹き飛ばすステーキ店で締める。

身体中に力がみなぎったところで２日目終了。

そわそわ1日目

教師としての仕事が終業式で一応の一段落して、予定日まで妻とずっと一緒の日々が始まる。

終業式の夜は焼き肉を食べた。
お腹の息子に応援の意味も込めて、夫婦二人にご褒美も込めて。

同じく終業式だったであろう家族が焼き肉屋にたくさんいた。

将来への期待が高まり、炭火を見る目がうっとり。

これから家族が増える前の数日間。
二人だけで出かけられる残り少ない日々。

そわそわする毎日。

大好きなゴディバを食べる。
新しいゲームを買ってみる。
初めてのおつかいをみて涙する。

貴重なこのそわそわ時間。
時間はゆっくり流れる穏やかなそわそわ時間。

なぜ母親は美しいのか

母は子どもを想う
その気持ちは決して他のものと混じることなく、この世の何よりも純粋なものである。

子どもに命が宿ったら、母の中で育つ。母と子どもは二人で一つだった。母の気持ちが我が子にストレートに届く。

我が子を見つめる眼差しには混じり気がない。

妊婦は愛の純粋さを表現した、一番美しい生態なのかもしれない。

あなたの願いはまもなく届く
あなたの気持ちはいつか伝わる
あなたに似た優しい子が生まれる
あなたにしかできないことがある

あなたなら乗り越えられる

その唯一無二の願いを持ち続けてください。

もうすぐ会えます。
二人で一つだった頃にできなかったこと。顔を見て、抱きしめられます。

もうすぐ願いが叶います。


※妻のマタニティフォトに添えて。