ある日、学校に行ったはずの大地がしばらくすると帰ってきた。
どした?
事故におうた。
なに?どこで?
ちょっと行ったところ。
けがは?
ボンネットで打ったけぇ、ちょっと痛い。
なぬ?ボンネット?自転車は?
ホイールが曲がって動けんけぇ持って帰ってきた。
相手は?
携帯番号渡して、仕事に行った。
なぬぅ~~~~~、番号見せなさい。
電話すると、「すいません、すいません、急いでいたものですから・・・」
と、おばさんの声。
あなたねぇ、これはひき逃げですよ、すぐに警察を呼ぶので現場に来なさい!
1時間くらいで来ましたわ、おまけにこの方教員だと。
大地はケガというほどではないというも、自転車は全損、何よりほっといていくとは何たること!
若い子なら逃げるのもありそうなことだがもう定年も近いような、しかも教員がこんなことするなんてねぇ。信じられん!!
大地にも言って聞かせた。
なぜその時にかぁさんかとぉさんに電話しなかった?
おそらく気が動転したんだろうけどね。
おまけに先方の保険会社がまた大馬鹿もんで、自転車の減価償却がどうのこうの1週間たってやっと言ってきた。
さいわい打撲のほうはすぐに良くなったけど、自転車がないので、低速の折り畳み自転車で通学していた。
これにはおばさんもさすがに悪いと思ったのか、保険会社とは手を切って全額保証しますと言って、同型の新車になったんだけど。
いやぁ、信じられんわ、いい年して、そんな立場で、こんなことする人いるんだねぇ、ほんま、信じれん。
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