誓いの大円陣

３月の末の話である。

なんとか無事卒業式も終え、
さて、そろそろ次のステージに～という頃、

長男が
ものすごく大きいレジャーシートをかかえて「出かけてくる！」と言う。

なんでも、長男とその仲間たちが友達というトモダチを一同に集め、
ラスト会合を開く計画が持ち上がったらしいのだ。

卒業してからはみなそれぞれの道を歩みはじめる彼ら。

この時期に一堂に会すことに価値があるのだろう。

ともに過ごした
中高一貫６年間の日々にしっかりとけじめをつけておきたかったのかもしれない。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

都会のど真ん中にある公園に
ゾクゾクと集まった仲間たちは
みなつながり深くかかわってきた友達ばかり。

なんせ高校時代、
数々の祭りを仕切ってきた彼らである。

場所取り担当、
買い出し担当、
レクリエーション担当・・・etc。

自然とメンバーみんなが組織立って行動し、この日を迎えることになったようだ。

これは、
あの自由な校風の中で、
ゼロから作り上げる楽しさを知り、その中で切磋琢磨してきた賜物。
仲間たちと多くのことにチャレンジしてきたその経験が生きているのだなぁと
ほのぼの感心する私であった。

ほんの少しの桜の下、
大きなシートを広げて
お菓子をつまみ、ジュースを飲みながら
朝から夕方まで（いや夜まで）男ばかり大勢集まって何してたんだろう？
と思うのだが、

長男曰く、
「とにかくめちゃくちゃ面白かった。」そうである。

途中雨が降ってきて、
みんなが同じところに雨宿りしたので
そこで三脚をたて記念撮影をしたそうな。

そして、
卒業式では歌うことがかなわなかった「蛍の光」を
みんなで大声で歌ったそうな。

聞けば聞くほど彼ららしい・・・。


最後の最後、

解散間近となった都会のど真ん中の駅前で、
全員で大円陣を組み、
一人ずつ大声で「これからの自分」を語ったそうだ。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

ちなみに
我が家の長男・・・、

やりたい学問はひとつだけ。
その道に進むべく、
行きたい大学、行きたい学科にとことんこだわった今回の入試。

受験したのは一校のみ。
しかも試験をしたのはセンターと前期試験のみ…。
アッパレといえばアッパレな初大学受験！でありました。

残念ながら「サクラサク」とはいきませんでしたが、
これからも長男は「やりたい学問の扉をノックし続けるぜ～！」と覚悟を決めた様子。

来年も再トライです・・・。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

そんな決意表明か？
（都会のど真ん中で）
「来年は絶対受かるぞ～～！」と叫んできたらしい。

やりたい学問の扉が開くことを夢見て頑張ろう～！

大円陣のまわりでは
彼らの決意表明に拍手する人あり、
声援を送ってくれるおじさんあり・・・であったそうだが、

何よりもうれしかったのは！？

「居酒屋いかぁ～すかぁ～？（いかがですか？）」
とチラシを渡そうとするお兄さんがいたことらしい。

２０才以上にみえるんじゃね。・・・・てか？

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

「きっとまた会おう！」
そんな言葉を交わして高校時代のラスト会合にピリオドを打った彼ら。

１０年後、２０年後、
おそらく
これからの日本で、いや世界で、
あらゆる分野の先頭に立ち、大きな大きな未来を担っていくことだろう。

そんな彼らが
高校時代に培ったかけがえのないものはきっと一生の宝物。

どうか大切に、忘れずに、
これからの道を歩んでいってほしい。

彼らからの宿題を私も披露してお祝いの言葉にしよう。

　夢中だったね、６年間。
　蹉跌の日々も
　慕わしい。
　世界を大いに盛り上げた
　威風堂々ここにあり！