今年もノーベル文学賞で村上春樹が騒がれた。
「ハルキスト」などと呼ばれていて、発表日には喫茶店に集まって、メディアに映ることが嫌いな村上春樹の拡大写真をまるで韓流ファンのように振りかざし、色々なTVのインタビューに応えていた。
detachmentとcommitmentと村上春樹の作品は前期と後期で分けられるが、どう村上を読んでもあのTVに映っているファンと称する人たちの行為を彼が喜んでいるとは思えない。
ボクは比較的初期からの読者であるが、村上作品を読んでいるのに、ああした行為に及ぶのは、村上をまったく理解できていないのではないかと個人的には思う。
毎年毎年、あの映像が繰り返されると思うとちょっとぞっとする。
その意味では早いとこ、村上にはノーベル文学賞を取って貰ったほうがいいのかもしれない。
村上が芥川賞も直木賞も取っていないことをよく日本文学界の落ち度のように言われるが、べつに賞などどうでもよいではないか。賞があろうがなかろうが村上春樹は村上春樹である。