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まもなく「はやぶさ」特別セッション!~タイトル&概要の日本語訳

2011-03-10 23:26:33 | はやぶさ関連
いよいよ今夜、日本の小惑星探査機はやぶさが小惑星イトカワから持ち帰ったサンプルの分析結果が、アメリカ・テキサスで行われている第42回月惑星科学会議の特別セッションで発表されます。
Results from Hayabusa!と題されたセッションは現地時間の8時30分、日本時間の今夜23時30分から始まります。
13の発表が行われる予定です。
成分分析についての講演のアブストラクトは先日日本語に訳してご紹介しましたが、他にも注目すべき発表が目白押しです。
目次だけ日本語訳しましたので、ご参考までに。
それぞれのアブストラクト(英語)も見ることができます。
LPSC特別セッション:はやぶさの成果


特別セッション:はやぶさの成果

はやぶさミッションで小惑星(25143)イトカワ表面から採取された粒子の初期分析
はやぶさミッションで小惑星イトカワ表面から100ミクロン以下のサイズの粒子が回収されました。これら粒子の初期分析が2011年1月から始まる予定です。分析の内容と結果について、概略を報告する予定です。

JAXA惑星物質試料キュレーション設備における、回収されたはやぶさのコンテナとサンプルキャッチャーの開封作業過程
日本の探査機はやぶさが近地球小惑星イトカワから、2010年6月13日に地球に帰還しました。再突入カプセルのコンテナとサンプルキャッチャーのキュレーション設備における開封作業の様子について報告します。

小惑星イトカワのミューゼス・シー地域から回収した塵粒子の鉱物組成と主成分
シンクロトロン放射X線回折・透過、電界放出型電子顕微鏡を用いて、イトカワ粒子の鉱物組成、鉱物化学組成、微細構造の分析が行われました。

はやぶさミッションで採取された小惑星イトカワの粒子の3次元構造と初期分析におけるX線マイクロトモグラフィーの役割
小惑星イトカワ表面から得られたレゴリスの粒子の3次元構造の分析が、初期分析の一環としてマイクロトモグラフィーを用いて2011年1月から行われる予定です。分析におけるトモグラフィーの役割について報告する予定です。

はやぶさ探査機が回収した一粒の粒子の中性子放射化分析
はやぶさ探査機が回収した粒子サンプルの一つについて、中性子放射化分析によって化学組成を明らかにします。γ線計測は、厳重な遮蔽設備でウェル型ゲルマニウム検出器を使って行われます。

はやぶさミッションでイトカワから回収された小惑星物質の、酸素とマグネシウムの同位体組成
はやぶさミッションで得られた小惑星イトカワの酸素及びマグネシウム同位体組成の分析結果を報告する予定です。

小惑星(25413)イトカワのミューゼス・シー地域から回収された微粒子表面の、SEM及びTEMを用いた観察
はやぶさ探査機が小惑星イトカワから持ち帰った粒子の初期分析の一環として、SEM及びTEMを用いた粒子表面の観察を行い、小惑星における宇宙風化作用の原因を特定しようとしています。

はやぶさサンプルコンテナから採取された希ガス
2010年、はやぶさのサンプルカプセルを地球に持ち帰ることに成功しました。カプセルからサンプルコンテナが取り出され、JAXAのキュレーション設備のクリーンチャンバーの中でコンテナの開封が行われました。コンテナの中から採取した希ガスについて分析が行われました。

はやぶさミッションで採取されたイトカワのサンプルから得られた希ガス
はやぶさミッションで持ち帰られたイトカワのサンプルに含まれていた希ガスの同位体組成について報告する予定です。一粒の粒子から、レーザー加熱法によって希ガスが抽出されます。

はやぶさミッションで回収された粒子における顕微分光器を用いた炭素質物質へのアプローチ
はやぶさミッションで回収された粒子に含まれている不溶性有機物(IOM)を顕微分光器を使って分析する計画です。粒子の分光学的特性は、イトカワ形成の歴史を探る手がかりとなるはずです。

はやぶさミッションで小惑星(25143)イトカワから採取された粒子の初期有機化合物分析
はやぶさミッションで回収された粒子の初期有機化合物分析が行われます。

普通コンドライトにおける宇宙風化作用と、H型、L型、LL型コンドライトの区別における宇宙風化作用の影響、そしてはやぶさミッションで回収されたイトカワのサンプルの分析結果
普通コンドライトにおける宇宙風化作用の新しい指標が発見されました。反射スペクトルの1マイクロメートルバンドだけを使った3つのバンド強度比を用いる方法では、BARを用いる方法に比べて宇宙風化作用による影響をあまり受けることなく、H型、L型、LL型の区別をすることができます。

小惑星イトカワ表面の黒いボルダ―の特徴と推定される起源
小惑星イトカワの頭の部分で、大きなとても黒いボルダ―が発見されました。その特徴と推定される起源について議論します。


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1 コメント

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「はやぶさ」特別セッションの日本語訳を拝見しました (masasidayo)
2011-03-11 00:39:41
こんばんは

masasidayoと申します

月惑星科学会議のネット中継様を見ようとしましたが、
繋がらずに困っていた所、巡り巡って貴サイトに辿り着きました。

講演のアブストラクトを拝見しましたが、「サンプルコンテナから
採取された希ガス」「イトカワ表面の黒いボルダ―の特徴」など、
今まで謎だった部分が解明される様で、今からとてもワクワクすることができました。

中継が見れないのは残念ですが、これで安心して寝ることが出来ます(笑)
ありがとうございました!
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