やぎの宇宙ブログ

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ひまわりから見た皆既日食帯

2009-07-24 08:01:03 | オリジナル画像
No.365 2009/7/23作成

The Zone of Total Eclipse

7月22日、日本のトカラ列島、硫黄島地方を含む、アジア~太平洋地域で皆既日食が起こりました。
皆既日食は、月によって太陽(の光球)からの光が完全に遮られることによって起こります。
このとき、地球上には月の影が落ちます。
日本の気象衛星ひまわり7号が、地上に落ちる月の影を15分間隔で撮影しました。
影の形や大きさがはっきりするように画像処理をし、さらにそれを合成して月の影の経路が分かるような画像を作ってみました。
画像上の暗い帯が、月の影が通過した領域です。

元になった画像は、ひまわり7号が撮影した可視光画像です。
普段、気象情報等で見慣れている赤外線画像とは少し違います。
赤外線画像は熱放射を捉えたものなので、昼夜関係なく雲の様子を撮影できます。
一方、可視光画像は太陽光の反射光を捉えたものなので、夜の間は真っ暗で何も見えません。
そのため気象情報では主に赤外線画像が使われます。
そのようなわけで、月の影は可視光画像には写りますが、赤外線画像には写りません。

8:15~15:00の間、28枚の可視光画像が撮影されました。
そのうち、10:00~13:15の間の14枚を使った画像です。
帯の中央の真っ暗な領域が皆既日食が見られる本影が通った領域、その周りにぼんやりと暗い広大な領域が部分日食が見られる半影が通った領域です。
本来は帯になりますが、15分毎のコマ撮りなので、画像上では一部数珠状に見えます。
影は日の出を迎えた南アジア(インド周辺)で出現し、その後中国に入り、東シナ海からトカラ列島を通って太平洋に出ます。
その後硫黄島地方を通って南東へ進み、赤道をまたいで南半球へと移動したところで日没とともに消えます。
部分日食を含めて、8:58~14:12の5時間以上にわたって、地球上で日食が見られました。

この現象は月食にも似ています。
月食は地球の影が月面に落ちて、月が暗くなる現象です。
このとき、もし月面から観測できたとすれば、地球によって太陽が隠される「日食」が見えるはずです。
特に本影に入った月面から見ると、「皆既日食」が見えるはずです。
地球の影は大きいので、月面における地球による「皆既日食」は、広い範囲にわたって、しかも長時間見ることができるでしょう。
ただし、月面から見ると地球の方が太陽よりもずっと大きく見えるため、全周にわたる美しいコロナは観測できません。

元の画像:MSC/JMA提供


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1 コメント

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よくわかりました (tahi)
2009-07-25 09:16:40
TBありがとうございました。
画像処理された14枚の映像が合成された「映像」で今回の日食の経路や原理がしっかり理解できました。
月食の原理も理解できました。

宇宙についてわくわくです
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