「時代の香り」のレストラン

地下鉄築地駅近くで見かけたアジサイ

私の会社は大手町にある。朝出勤すると、週に何日かは
築地にある同系列の会社に出掛けることになっている。

築地の会社で通常は社食でお昼を食べるのだが、同じような
メニューなのでさすがに飽きがきてたまには外へ出て食べる
ことにしている。築地市場の場外で食べても良いのだが決して
安くはないのであまり行かない。それで築地の本願寺からほど
遠くないあたりの、サラリーマンが入るような定食屋で済ます
ことが多い。焼き魚定食とかカツどんとかお決まりのものだけど
やはり社食よりははるかに美味い。

食事後に近くをブラブラ歩いていたら、普段は入らないような
小さな横丁があった。何気なく奥を見ていたら、何とも懐かしい
感じがする木造の家が見えた。



傍まで行って見てみると、これが何とレストランであった。
黒く塗ってある構えは明治大正の時代の香りがある。郷愁が漂う。
kurosawaとだけ地味に看板が出ている。


ランプが何とも渋い感じ。夜はムードがありそう。

メニューを見てみると、昼食としては結構な値段で、かなりの
名店と見える。御簾のような細い黒枠の窓越しに覗くと、カウンター
が見えて鉄板焼きのように何かを焼いているのが見えた。

あんまり覗いているのも失礼なのでさっさと社へ戻ったが妙に
印象に残った光景だった。今度懐に余裕のあるときでも訪ねて見よう
かな。

ウェブで調べたらちゃんと出ていた。あの道は良く通るところなのに
今まで全く気がつかなかった。これだから築地は堪らない。隠れた
名店を発見するのは何か嬉しくなる。気分の良い午後になったから
キムラヤでアンパンを買って帰った。路傍のアジサイも綺麗だった。