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イザベラ・バードのハワイ紀行

2006-01-10 10:58:16 | ハワイに関すること
前から探していた本をやっと買いました。ハワイへ行く前に
読んでおきたかったのですが、時間がなくてそのままにして
おいたらタイミング良く平凡社から新たに出版されたので購入
しました。

イザベラ・バード(1831-1904)というひとは英国
女性でその一生を世界旅行をして過ごしたようなひとです。

それも1800年代の後半にかけてアメリカや、豪州、ハワイ
諸島、東洋の国々、ペルシア、チベット、モロッコと歩き回り、
世界が大きく変わっていく時代を実体験してその旅行記を後世
に残し、現在では当時の国々を知る上で貴重な資料となってい
ます。

この本は1873年彼女が42才のとき豪州からハワイへ
向かい半年あまりを当地で過ごした滞在記となっています。
日本では明治の初めにあたるころのサンドイッチ諸島と呼ばれて
いたハワイが描かれています。

アメリカの宣教師たちがすでに入り、文化的に落ち着いた状態
のハワイが描かれて大変興味のある紀行文です。
植物に詳しいことに驚かされたり、人間に対する観察眼のするどさや、
唯一の交通手段である馬を乗り回し危険なところへ出かけて行く
積極性など、女性としては非常に大胆な行動力を持っていたことに
感心させられます。

彼女はこの後東洋諸国を訪れます。日本には明治11年に来て、
その旅行記「日本奥地紀行」を書き残しています。

これは東洋文庫からも出版されていて、当時の外国人ならば到底
行かないであろう日本の辺鄙な地域にまで足を延ばしています。

興味深いのはその頃の在日英国大使館に勤務していたアーネスト・
サトウと会っていることです。
(サトウはSATOWであって日本名ではありません。れっきとした
イギリス人です。)

彼は通訳見習いとして明治になる前の日本に来て、生麦事件やら
歴史にのこる出来事やらを体験して、後には外交官としてまた一方で
日本学の大家として後世に名前を残すほどの人物です。

幕末から明治維新にかけての重要人物とはほとんど会っていて、
歴史の教科書では学べない事実が彼の滞在記にはたくさん書かれ
ています。たしか文庫本で出ているはずです。かの司馬遼太郎も
アーネスト・サトウの業績について誰だか著名人との対談の中で
語っていたように記憶しています。

サトウもイザベラもお互いにその学者としての見識を早くから
見抜いていたようで歴史の好きなひとにとってこの両者の滞在記は
一読の価値があります。

ついでですが幕末から明治にかけては日本には各国から来たひと
たちがいろいろな紀行記を残しています。
なかでも後になってトロイの遺跡を発見するシュリーマンの紀行記
も大変面白く、側面から見た日本というものを知る手がかりになり
ます。

イザベラもサトウも後になって再来日を果たすのですが、同じ
イギリス人同志としてまだまだ幕末の雰囲気を残していた日本で
どのような話をしたのでしょうか。

話がそれましたが、100年以上も前のハワイが描かれている
イザベラ・バードのハワイ紀行」、興味のあるかたは是非ご一読を。





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