つい先だって浅草の東洋館へ講談を聞きに行って来たばかりですが
今度は落語であります。
地元の噺家、三遊亭楽麻呂の落語独演会が江戸深川資料館の小劇場
で開催されました。
楽麻呂は三遊亭円楽師匠の一門でありましてもちろん真打です。
前回の独演会も面白かったですし、結構楽しいネタをやってくれるので毎回
楽しみにしています。「演芸」場の定席がないかわりに、地元での恒例の
お楽しみ独演会というところでしょうか。
今は寄席へ行っても、演者一人あたりの持ち時間が短くてきちんとした噺を
聞かせてくれません。そういう点では独演会は良いですね。じっくりと落語を
楽しむことが出来ます。
さて、今宵は? どういった演しものでしょうか。
深川江戸資料館は常設で江戸の生活を再現してあります。長屋があって、
猪牙舟がおいてあって、という当時の庶民の暮らしが見られるのですが、
小劇場はその上の階にあり、窓から見下ろすと長屋の屋根に猫が寝ていた
りするのが見えて思わず笑ってしまいます。もちろん猫は置物の猫です。
6時半開場、7時開演です。あまり広くはない会場ですが、天井が高く
なかなか立派ですよ。ちょっと寄席の小屋という雰囲気ではなくて、品の
良い芝居小屋のムードが漂う、とでも言う感じです。足元もゆったりです。
まあ、これはこれでホール落語ですからよろしいかと。以前はイイノホール
でやっていた日刊飛び切り寄席を毎月見に行っていました。同じホール
落語でもイイノホールはちょっと規模が大きいです。噺家も一流どころが
出ておりました。でも今日は今日でこじんまりとしていてまた趣きが違います。
予備席を出してあります。満員ですね。
開口一番は、三遊亭かっ好です。このひとのお父さんはお笑い系の
マジック、ナポレオンズの片割れ、ボナ植木さん。背が高く眼鏡をかけて
いつも袖まくっているひとです。錦糸町界隈の出身で今も住んでられる
んじゃないじゃですかね。下町のひとですよ。
師匠は、テレビの「笑点」でお馴染みの三遊亭好楽師匠です。
好楽師匠の奥さんはたしか外人さんではなかったかと記憶してます。
お題は「牛褒め」。
御馴染みの与太郎が叔父さんの新築した家を褒めに行く。家を褒めて
おこずかいでも貰おうって寸法。ついでに叔父さんの飼っている牛を
褒めるのだが・・・
まずは前座さんが始めにやる定番噺というところでしょうか。
無難にこなして、場内の雰囲気が馴染んできたところへ、楽麻呂師匠が
登場いたします。
今回は写真がありません。ちょっとねえ、写真が撮れるムードじゃあ
なかったからね。まあ、しょうがないや。こちらで楽麻呂師匠を見て
下さい。写真、じゃんじゃん撮って下さい、とむこうから言ってくれると
気が楽なんですけど。
ガソリン価格の値下げあたりで、軽く枕をふって本題へ。初めの一席は
御馴染みの「猫の皿」。
骨董品を商いにしている商人が江戸に戻る途中、うらびれた峠の茶屋で
休んでいる。何の収穫もなく明日は江戸に戻るのか。そう思って
がっかりしながらふと視線を移すと、猫がエサをたべている皿が目に
飛び込んでくる。何と、その皿は「高麗の梅鉢」という超逸品で、二百両
でも三百両でも売れるという代物。山間の茶店の主人。これだから素人は
恐ろしい。こんなものを猫のエサの皿に使うなんて。一計を案じた商人は、
江戸に持って帰る土産がない。せめてこの猫を譲ってくれ、と言い出す。
三両払うからどうだい、ついてはこの皿も持って行って良いだろう。と
切り出すが、店の主人は、猫は三両で良いですが皿だけは絶対駄目だ、
と言う。
何故か? と聞くと、ご存知ないでしょうが、この皿は「高麗の梅鉢」と
いう名品中の名品で、江戸で売れば黙って三百両はくだらない品物です。
だからこれはお譲りできません。と断られる始末。じゃあ、なんでまた
猫のエサなんかにこの皿を? と聞くと、それはときどき猫が三両で売れる
から。というのがこの噺のオチであります。騙してやろう、と思ったら
茶屋の主人のほうが一枚も二枚も上手だった、というお話です。
何やら今の世の中にもありそうなお話ですな。
続いては、女流マジックで天香さんであります。
紐と結び目のマジックとか、真ん中で切っても長さが違う紐とか
紐モノのマジックで笑わせてくれます。リングを繋ぎ合わせてみたり、
外してみたり変幻自在。何か仕掛けがあるのだろう、と思いつつも
見事なもので感嘆させてくれました。トランプと風船のマジックも
ありでバラエティに富んでいました。なかなか良かったですよ、この
マジックは。こういう色物はいいですねえ。
さてここでまた楽麻呂師匠の登場であります。今夜の二席目はこれも
御馴染み、「三方一両損」。
宵越しの金は持たない、言い出したら聞かない、強情がぶつかる、
そういう江戸っ子の典型みたいなのが二人出てきます。
拾った財布をわざわざ届けに来てやった、だから受け取れ。
財布は受け取るが中身の三両はお前にやる。受け取れ、受け取らない、
で喧嘩になる。止めに入った大家も巻き込んで大騒ぎに。
とうとう奉行所まで話が発展して仲裁に大岡越前守が入りこれを裁く。
で、ここから三方一両損になっていくのですが・・
大体こういうお話であります。
8時45分頃に独演会は終了。ここから我が家までぶらぶらと歩いて
帰り、寝るまで落語の余韻に浸っておりました。
人形町は亀井堂の瓦せんべい。楽麻呂師匠の似顔絵入りです。
良く似ていますよ。そっくり!
今度は落語であります。
地元の噺家、三遊亭楽麻呂の落語独演会が江戸深川資料館の小劇場
で開催されました。
楽麻呂は三遊亭円楽師匠の一門でありましてもちろん真打です。
前回の独演会も面白かったですし、結構楽しいネタをやってくれるので毎回
楽しみにしています。「演芸」場の定席がないかわりに、地元での恒例の
お楽しみ独演会というところでしょうか。
今は寄席へ行っても、演者一人あたりの持ち時間が短くてきちんとした噺を
聞かせてくれません。そういう点では独演会は良いですね。じっくりと落語を
楽しむことが出来ます。
さて、今宵は? どういった演しものでしょうか。
深川江戸資料館は常設で江戸の生活を再現してあります。長屋があって、
猪牙舟がおいてあって、という当時の庶民の暮らしが見られるのですが、
小劇場はその上の階にあり、窓から見下ろすと長屋の屋根に猫が寝ていた
りするのが見えて思わず笑ってしまいます。もちろん猫は置物の猫です。
6時半開場、7時開演です。あまり広くはない会場ですが、天井が高く
なかなか立派ですよ。ちょっと寄席の小屋という雰囲気ではなくて、品の
良い芝居小屋のムードが漂う、とでも言う感じです。足元もゆったりです。
まあ、これはこれでホール落語ですからよろしいかと。以前はイイノホール
でやっていた日刊飛び切り寄席を毎月見に行っていました。同じホール
落語でもイイノホールはちょっと規模が大きいです。噺家も一流どころが
出ておりました。でも今日は今日でこじんまりとしていてまた趣きが違います。
予備席を出してあります。満員ですね。
開口一番は、三遊亭かっ好です。このひとのお父さんはお笑い系の
マジック、ナポレオンズの片割れ、ボナ植木さん。背が高く眼鏡をかけて
いつも袖まくっているひとです。錦糸町界隈の出身で今も住んでられる
んじゃないじゃですかね。下町のひとですよ。
師匠は、テレビの「笑点」でお馴染みの三遊亭好楽師匠です。
好楽師匠の奥さんはたしか外人さんではなかったかと記憶してます。
お題は「牛褒め」。
御馴染みの与太郎が叔父さんの新築した家を褒めに行く。家を褒めて
おこずかいでも貰おうって寸法。ついでに叔父さんの飼っている牛を
褒めるのだが・・・
まずは前座さんが始めにやる定番噺というところでしょうか。
無難にこなして、場内の雰囲気が馴染んできたところへ、楽麻呂師匠が
登場いたします。
今回は写真がありません。ちょっとねえ、写真が撮れるムードじゃあ
なかったからね。まあ、しょうがないや。こちらで楽麻呂師匠を見て
下さい。写真、じゃんじゃん撮って下さい、とむこうから言ってくれると
気が楽なんですけど。
ガソリン価格の値下げあたりで、軽く枕をふって本題へ。初めの一席は
御馴染みの「猫の皿」。
骨董品を商いにしている商人が江戸に戻る途中、うらびれた峠の茶屋で
休んでいる。何の収穫もなく明日は江戸に戻るのか。そう思って
がっかりしながらふと視線を移すと、猫がエサをたべている皿が目に
飛び込んでくる。何と、その皿は「高麗の梅鉢」という超逸品で、二百両
でも三百両でも売れるという代物。山間の茶店の主人。これだから素人は
恐ろしい。こんなものを猫のエサの皿に使うなんて。一計を案じた商人は、
江戸に持って帰る土産がない。せめてこの猫を譲ってくれ、と言い出す。
三両払うからどうだい、ついてはこの皿も持って行って良いだろう。と
切り出すが、店の主人は、猫は三両で良いですが皿だけは絶対駄目だ、
と言う。
何故か? と聞くと、ご存知ないでしょうが、この皿は「高麗の梅鉢」と
いう名品中の名品で、江戸で売れば黙って三百両はくだらない品物です。
だからこれはお譲りできません。と断られる始末。じゃあ、なんでまた
猫のエサなんかにこの皿を? と聞くと、それはときどき猫が三両で売れる
から。というのがこの噺のオチであります。騙してやろう、と思ったら
茶屋の主人のほうが一枚も二枚も上手だった、というお話です。
何やら今の世の中にもありそうなお話ですな。
続いては、女流マジックで天香さんであります。
紐と結び目のマジックとか、真ん中で切っても長さが違う紐とか
紐モノのマジックで笑わせてくれます。リングを繋ぎ合わせてみたり、
外してみたり変幻自在。何か仕掛けがあるのだろう、と思いつつも
見事なもので感嘆させてくれました。トランプと風船のマジックも
ありでバラエティに富んでいました。なかなか良かったですよ、この
マジックは。こういう色物はいいですねえ。
さてここでまた楽麻呂師匠の登場であります。今夜の二席目はこれも
御馴染み、「三方一両損」。
宵越しの金は持たない、言い出したら聞かない、強情がぶつかる、
そういう江戸っ子の典型みたいなのが二人出てきます。
拾った財布をわざわざ届けに来てやった、だから受け取れ。
財布は受け取るが中身の三両はお前にやる。受け取れ、受け取らない、
で喧嘩になる。止めに入った大家も巻き込んで大騒ぎに。
とうとう奉行所まで話が発展して仲裁に大岡越前守が入りこれを裁く。
で、ここから三方一両損になっていくのですが・・
大体こういうお話であります。
8時45分頃に独演会は終了。ここから我が家までぶらぶらと歩いて
帰り、寝るまで落語の余韻に浸っておりました。
人形町は亀井堂の瓦せんべい。楽麻呂師匠の似顔絵入りです。
良く似ていますよ。そっくり!
建物内に入ると屋根の上の猫が、“にゃーん”と鳴いていました。
あのようなところにホールがあるのですか?
なんだか良い雰囲気が感じられて、羨ましい限りです。
落語っていいですよねえ。
でも高座などの縁のない地方の者は、仕方なしに古い名人落語をCDや、iPodで聞いています。なんか変ですよね。
入ってすぐ左のEVか、階段で2階に行くと
行けるんですよ。
楽麻呂師匠は我が家から歩いて5分くらいの
ところに住んでいらしゃいます。
あの独演会の前の日も、我が家へ遊びに来て
いた甥のクルマを見送った後、後から来た
クルマがクラクションを鳴らすので、誰かな~
と思ったら楽麻呂師匠の奥様が運転する
クルマでした。手を振って通り過ぎて行き
ました。隣にいたのは楽麻呂師匠だったかと。
そうですねえ、ituneでも落語が楽しめます
から、今は寄席へ行かなくても情報として
の落語は楽しめますものね。良い時代です。
東京あたりですと、通勤時間の電車の中で
若いひとがイヤフォンで何かを聞いている
光景は今や普通です。ウォークマンカセット
の頃は、音楽と相場は決まっていましたが
今は何でもデジタル化ですから、ひょっと
すると電車の中で落語を聴いているひとも
いるかも知れません。
混んだ車内でニヤニヤ笑っていたら気持ち
悪いですねえ。
そもそも電車に乗ると言うことは、遠隔地への移動手段であります。
宮崎市へ周りから通勤、通学している方はいるのかも知れませんが・・・。
でも自動車が移動手段のこの地では、よくカラオケを歌っている(?)ような人、へんににやついている人はよく見かけます。
時折信号ではたと止まって、開けた窓から声が聞こえて、急にやめる人がいますものね。多分、大声でカラオケを歌っていたのでしょう。