いわさきあきらの音人的生活

京都のキーボーディスト岩崎明のブログです。音楽の知識、機材の紹介、日記など。

思い出のシンセ・機材「KURZWEIL MP-1」

2009年10月01日 | 思い出のシンセ・機材
(写真は、カーツゥエル ME-1、私が持っていたMP-1の後継機種。ピアノのサンプリングの老舗といえるカーツゥエル、今でも、MP-1は中古市場で人気が高いようです)

 前回は、サンプリング周波数についてお話ししましたが、

 ピアノのサンプリングの決めてとして、他に、

「スプリット(分割)」

 が、あります。

 そして、「スプリット」も2種類あって、
 まず、鍵盤上にどれだけのスプリット・ポイントを設けるか?

 理想的には、88鍵盤のすべての音をサンプリングして、
 ひとつの鍵盤にひとつの音を割り当てれられればいいのですが、
 メモリーなどの問題で、ひとつの鍵盤の音のピッチを変えて、
 いくつかの鍵盤に割り振るわけです。

 ピッチが変わると、もちろん音質も変わるので、
 あまりピッチが高かったり、低かったりすると、
 ピアノの音からかけ離れてしまいます。

 なので、ある程度のポイントが必要で、
 このポイントが多ければ多いほど、
 理屈的には、音がリアルになる、ということです。

 ただ、そのサンプルが変わるところで、
「あ、ここで、変わった」
 と思われると、不自然な感じになるので、
 そのつながり具合も、大事になります。


 もうひとつの「スプリット」は、

「ベロシティー・スプリット」

 ベロシティーとは、音の強さのことです。
 ピアノは弾く強さによって、弦の響きも変わります。

 この弾く強さを何段階かにわけて、サンプリングして、
 鍵盤を弾く強さで、段階的にそれに応じたサンプリングを再生するのが、
 この「ベロシティー・スプリット」です。

 これも、理屈的には、多ければ多いほど、
 リアルなピアノになる、ということになります。
 
 最近のピアノ音源では、上等のものでは、
 3段階から4段階のベロシティー・スプリットになっているようです。


 つまり、スプリット・ポイントが多いほど、
 ピアノは、よりピアノらしくなるはずですが、
 逆に、そのポイントが多いほど、それぞれのサンプルを不自然なくつなげるのが
 むつかしくなります。


 一鍵盤ずつ、そして、いろいろな強さで、
 実際に弾いて、確かめてみるのがいいでしょう。

 まだ、他にも、「サンプリング・タイム」というのも音の決めてになります。
 それは、また次回に。


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