音楽を演奏する「想い」、人の想いはどう伝わるのでしょうか?
まずは、前編をお読み下さい。
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スティーブン・ホーキング博士は、車椅子にのり、
コンピュータが合成した声で会話をする天才物理学者だ。
「ホーキング宇宙を語る」の本の最後に、
用語集がついているのだが、
その中のエネルギーについて書かれた言葉が目に飛び込んできた。
「エネルギーは生成されず、消滅しない」
これは、まさに「不生不滅(生まれず、滅せず)」ではないか。
エネルギー保存の法則によれば、エネルギーは増えたり減ったりもしない。
つまり、「不増不減(増えず、減らず)」だ。
そして、エネルギーはいくつもあるのではなく、みんな同じエネルギーからできている。
それが、「不垢不浄(きたなくもなく、きれいでもない)」ということではないか?
「不生不滅 不垢不浄 不増不減」
という神様か仏様の出されたなぞなぞは、
「空というのはエネルギーである」
と考えるのが、自然であるように思えた。
「色即是空 空即是色」のすぐ後に続く「受想行識 亦復如是」は、
「受想行識」もまた同じであると、つまり、「空」であると言う。
「感受すること」「想うこと」「行動すること」「認識すること」
これらもすべて、エネルギーである、ということになる。
「想い」はエネルギーなのだ。
音楽は「想い」を乗せた音の波だ。
演奏は、音の波を渡る船と言ってもいいかもしれない。
その船がいい船であればあるほど、
「想い」は強烈なエネルギーとなって伝わるのだ。
※般若心経は、ひとつの解釈だけでなく、いくつもの深い意味が重なる構造になっています。
宗教関係者の方々には気を悪くなさっている方もおられるかと思いますが、狂人のたわごとと、ご容赦を。