写真、時々言葉。

美しいもの、心に響くもの、、、、を大事にしたい。

一度のみのあの日のことは、

2024年06月21日 | roll of film


Leica / 50mm 1.4 / Kodak Color Plus 200 / 202406 DIC川村記念美術館

壁一面に広がっている作品に魅了され、なかなか離れないままでいると、、、

記憶の向こうに静かに根付いていて息をしていたある日のことが思い起こされる。
同じように一つひとつの作品を注意深く熱心に鑑賞をして行く母の後ろ姿が目に浮かんできたのだ。
雑多な家事と祈り熱心だった母の姿しか知らなかった僕としては、新鮮な衝撃だった。
一度のみのあの日のことは、
今は、僕の心に静かに波打ちながら、痛みをもたらす。

それにしても、あの感動を売店で販売している小さなハガキで持ち帰ることが出来ない。


















輝きを少し欠けたカリス

2024年04月28日 | Digital


Leica / 35mm / 長崎県諫早市高来町神津倉41-1、聖フランシスコ園の桜

何年前に、勇気を搾り出し神父様に申し出た。
“神父様のカリス、頂きたいです。”
すでに一人だけでごミサを捧げることもなくなっていた神父様は、後日快くそのカリスを僕に渡して下さった。
カリスは、助祭実習の時に見ていた輝きを少し欠けていた。

神父様の葬儀が執り行われる日の朝、何年前に頂いたそのカリスで初めてごミサを捧げた。
カリスは、輝きを少し欠けていたが、
よくして頂いたことを鮮明に思い起こさせてくれた。

カリスを、修理に出した。
このカリスで更にごミサを捧げるために、神父様との約束を果たすために、、、。






Leica / 35mm / 長崎県諫早市高来町神津倉41-1、聖フランシスコの像





灰色の感情。

2024年04月06日 | roll of film


HASSELBLED 503CW / CF 80mm F2.8 T* / FUJI PROVIA 100F / 202304, 長崎県長崎市三川公園の近く

入園式のあと、職員だけの写真撮影が行われ、
前にあるカメラを凝視していると、
ここにいる人たちの笑いや気持ち、心が一枚の写真に収められるんだと、、、実感した。
この瞬間を切り取る行為が過ぎ去ると、何もかもが変わって行く。
自分の灰色の感情を堪え、前に置かれているカメラに再び目を向ける。

8年目の長崎、
来年度は新しい人事が行われるために、最後の桜かもしれないと思い、
写真を撮りたかった。
でも、慌ただしい日々、聖週間と新年度の準備が重なり、その間に桜はもう咲いてしまっていた。

桜が咲いた道を車で走るのは、とても好きだった。
















責任を持つことの意味、、、

2023年09月11日 | roll of film


Nikon FM3a, Nikkor 50mm F1.4 / コダック (ColorPlus200 ) / Nagasaki-ken 湯江 聖フランシスコ園、202308

責任を持つことの意味、、、現状維持をし、将来のあり方に悩み思い、今出来ることをしていく。

心は、今だに先輩の会員の背中を見ている思いがするが、
気づいたら、目の前には誰もいない。

















休みの日には、湯江に寄ることが多くなった。
写真は、タバコをする人の隠れ場。






スカイツリーと人の善意。

2023年04月27日 | Digital


Nikon Z fc / Nikkor Z 26mm / 20230323/ Tokyo スカイツリー

00年ぶりの司祭叙階式のために、遅い午後の便に乗った。
いつものように通路側だったけど、遠い窓越しに目に入ってくる空は
思っていたより早く暗くなり、その暗さは人の善意も完全に隠すほどのもので、心細くなってしまった。
飛行機はスカイツリーを見ながらゆっくりと方向を変えていた。
暗ければ暗いほど、街の光は綺麗で煌々しく、いつもよりうっとりして見入ってしまった。

久しぶりの司祭叙階式だから、とても嬉しく思っていた。
00年ぶりの司祭叙階式だと思っていたら、
日本人の神父様たちからは、「日本人としての司祭叙階式は00年ぶりだ」と仰っておられた。
僕が考えている年数よりも数が多い年数で喜ばれていたのだ。

そっか。自分は何人であるか、あまり考えて生きて来なかったけど、
僕のまわりの人たちは考えていたのだ。







桜の下で、、、。

2023年04月18日 | roll of film


HASSELBLED 503CW / CF 80mm F2.8 T* / FUJI PROVIA 100F / 20220328 , 佐賀県鹿島市山浦

喉の痛みと体の不調があったにも関わらず、新年度の仕事と聖週間を頑張る。
迎えた復活の主日には、耳の聞こえない信者さんのために声を張り上げていた。
その次の日に、起きて支度をして祭壇に立ったけれど、見事に喉は枯れ、全く声が出ない、、、その事態には自分が一番びっくりしてしまった。

声を失って一週間以上、話せることの大事さを改めて思う。





冬に桜の季節を想う。

2023年02月05日 | roll of film


Nikon FM3a / Nikkor 50mm f1.4 /それほど高くないフィルム / 湯江、長崎県 / 2022年の春

日曜日の朝は3時に起き、ミサの準備をする。土曜日に準備が終わらなくなってしまってもう2〜3年だろうか。
熱いシャワーに更に目を覚まし、まだ真っ暗の空の下で車を走らせる。
春には桜でとても綺麗な公園を左に置きながら降って行き、狭い住宅街をくぐり抜ける。
まだ冬だけど、春のことを想う。この綺麗な桜が満開な公園と住宅街を通ることを考えたら、幸せな気持ちが心の底から込み上げて来る。
多分来る春にも通るだろうと、、、。
と同時に、今はいない人に心が寄せられてしまう。
こんな幸せな気持ちに浸っていいのだろうか、、、と申し訳なく思う。





夕空。

2022年11月24日 | Digital


Nikon Z6 / 24-70 f2.8 / Hongochi Nagasaki / 20221030

落ち込む日に、偶然眺めた長崎の夕空に悲しみが加わってしまう。
こんな日に、こんな美しい夕空に出会うなんって、、、この1日が勿体無いと思ってしまうことは、、、
贅沢かもしれない。







凄い法面トンネル

2022年07月21日 | Digital


Leica / 35mm / 東彼杵郡坂本郷、20220720

佐賀県から長崎県に入る国道34号線を走っていると、左下の方に絶景が広がる。
何ヶ月間、車を止める場所がなく通り過ぎるのを何度か繰り返していた。
昨日は、結局手前のPで止めて、勇気を出して歩くことに、、、。
人が通る歩道がない車道。
ものすごいスピードで横を通る車に轢かれるのではないかと、不安を感じながらやっと辿り着いた場所から下を見下ろす。

やっとここに来れた。

新幹線が通ることになっているトンネルの法面がすごい。
正式な名称なのか分からないが、、、Googleマップでは「凄い法面トンネル」と表記されている。
9月から新幹線が通ることになると、それを撮るために人々がこの場所に陣取るようになるかもしれない。

僕は、新幹線よりも、下に広がる茶畑が好きだ。
秘境に隠れている茶畑と、それを栽培する小さな村、そこに住んでいる人々、、、。

まだまだ長崎には行ってない場所がたくさんある。







Leica / 35mm / 東彼杵郡坂本郷、20220720





Leica / 35mm / 東彼杵郡坂本郷、20220720








いやだな〜。

2021年10月12日 | Digital


Nikon Z fc / Z 28mm F2.8 SE / Nagasaki 金比羅山 / 202110

なかなか列に加わらない女の子に、そっと手を差し出して一緒に列の後ろに付いて行く。
可愛い女の子なのに、、、ゆっくりした低い男の声を出しては、

「イヤだな〜」とつぶやく。

その声が心の中をゆっくりと沈んで行く。
よっぽど嫌だったんだろうな、でも自分の気持ちをはっきりと声に出すようにはなったのかな、、、。

次は可愛い声を出して欲しいな〜と思いながら、
子どもの歩調に合わせながら歩いて行く。