写真、時々言葉。

美しいもの、心に響くもの、、、、を大事にしたい。

輝きを少し欠けたカリス

2024年04月28日 | Digital


Leica / 35mm / 長崎県諫早市高来町神津倉41-1、聖フランシスコ園の桜

何年前に、勇気を搾り出し神父様に申し出た。
“神父様のカリス、頂きたいです。”
すでに一人だけでごミサを捧げることもなくなっていた神父様は、後日快くそのカリスを僕に渡して下さった。
カリスは、助祭実習の時に見ていた輝きを少し欠けていた。

神父様の葬儀が執り行われる日の朝、何年前に頂いたそのカリスで初めてごミサを捧げた。
カリスは、輝きを少し欠けていたが、
よくして頂いたことを鮮明に思い起こさせてくれた。

カリスを、修理に出した。
このカリスで更にごミサを捧げるために、神父様との約束を果たすために、、、。






Leica / 35mm / 長崎県諫早市高来町神津倉41-1、聖フランシスコの像




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スカイツリーと人の善意。

2023年04月27日 | Digital


Nikon Z fc / Nikkor Z 26mm / 20230323/ Tokyo スカイツリー

00年ぶりの司祭叙階式のために、遅い午後の便に乗った。
いつものように通路側だったけど、遠い窓越しに目に入ってくる空は
思っていたより早く暗くなり、その暗さは人の善意も完全に隠すほどのもので、心細くなってしまった。
飛行機はスカイツリーを見ながらゆっくりと方向を変えていた。
暗ければ暗いほど、街の光は綺麗で煌々しく、いつもよりうっとりして見入ってしまった。

久しぶりの司祭叙階式だから、とても嬉しく思っていた。
00年ぶりの司祭叙階式だと思っていたら、
日本人の神父様たちからは、「日本人としての司祭叙階式は00年ぶりだ」と仰っておられた。
僕が考えている年数よりも数が多い年数で喜ばれていたのだ。

そっか。自分は何人であるか、あまり考えて生きて来なかったけど、
僕のまわりの人たちは考えていたのだ。






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夕空。

2022年11月24日 | Digital


Nikon Z6 / 24-70 f2.8 / Hongochi Nagasaki / 20221030

落ち込む日に、偶然眺めた長崎の夕空に悲しみが加わってしまう。
こんな日に、こんな美しい夕空に出会うなんって、、、この1日が勿体無いと思ってしまうことは、、、
贅沢かもしれない。






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凄い法面トンネル

2022年07月21日 | Digital


Leica / 35mm / 東彼杵郡坂本郷、20220720

佐賀県から長崎県に入る国道34号線を走っていると、左下の方に絶景が広がる。
何ヶ月間、車を止める場所がなく通り過ぎるのを何度か繰り返していた。
昨日は、結局手前のPで止めて、勇気を出して歩くことに、、、。
人が通る歩道がない車道。
ものすごいスピードで横を通る車に轢かれるのではないかと、不安を感じながらやっと辿り着いた場所から下を見下ろす。

やっとここに来れた。

新幹線が通ることになっているトンネルの法面がすごい。
正式な名称なのか分からないが、、、Googleマップでは「凄い法面トンネル」と表記されている。
9月から新幹線が通ることになると、それを撮るために人々がこの場所に陣取るようになるかもしれない。

僕は、新幹線よりも、下に広がる茶畑が好きだ。
秘境に隠れている茶畑と、それを栽培する小さな村、そこに住んでいる人々、、、。

まだまだ長崎には行ってない場所がたくさんある。







Leica / 35mm / 東彼杵郡坂本郷、20220720





Leica / 35mm / 東彼杵郡坂本郷、20220720







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いやだな〜。

2021年10月12日 | Digital


Nikon Z fc / Z 28mm F2.8 SE / Nagasaki 金比羅山 / 202110

なかなか列に加わらない女の子に、そっと手を差し出して一緒に列の後ろに付いて行く。
可愛い女の子なのに、、、ゆっくりした低い男の声を出しては、

「イヤだな〜」とつぶやく。

その声が心の中をゆっくりと沈んで行く。
よっぽど嫌だったんだろうな、でも自分の気持ちをはっきりと声に出すようにはなったのかな、、、。

次は可愛い声を出して欲しいな〜と思いながら、
子どもの歩調に合わせながら歩いて行く。







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今ここに存在しないかもしれない、、、。

2021年10月05日 | Digital


Ricoh GR3 / 鹿児島薩摩川内 / 20191113

ベットから飛び上がるように身をおこし、耳を澄ませる。

隣のテーブルの上にある目覚まし時計の針を一所懸命読み取ろうとする。夜の11時少し前だった。
まだ、眠りと現実の世界との境目がはっきりしない。
確かなことは、”こんこん”とはっきりとドアを大きく叩く音を聞いたことだ。
その証拠に、心臓が爆発しそうに、バクバクする。

寝ぼけた頭で必死に考えるのだが、今の時間に僕の部屋を訪れる人は誰もいない。
恐怖で、ドアを開けて確認する気には到底ならなかった。
座ったまま、様子を伺う、、、。

やはり、何も起こらない。


次の日の昼、皆に聞いてみた。”昨日の晩、11時前に僕の部屋に来た人いる?”
”へぇ〜、何それ、怖いですよ。その時間皆寝てました。”

多分、僕がその時にドアを開けたら、
今ここに存在しないかもしれない、、、というような思いが過ぎったのだ。




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制限速度は、、、。

2021年09月11日 | Digital


Ricoh GR3 / 北海道名寄 / 2021.08

”日本語は大丈夫ですか?”、旭川空港前のレンタカー店でそう聞かれて、久しぶりに自分がここでは外国人だったことに思い出す。
北海道は3回目だった。
自分ですべての旅程を計画し、航空券を購入したのは初めてだった。分かったのは、やっぱり北海道までは高い、、、ことかな。
カーナビのお陰で、旭川から名寄まで順調に北上する。
真っ直ぐな道、そして傾斜のあるトタン屋根が目新しい。
制限速度よりもう少しスピードを出していても、後ろからの車が前の方に出たがる。








Ricoh GR3 / 北海道名寄 / 2021.08





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この季節になると、、、。

2021年06月05日 | Digital


Nikon D850 / Nikkor 60mm macro / Hongochi, Nagasaki

何年ぶりだろう、、、。かろうじてFBで繋がっていた大学の友人からメッセージが入って来た。
「友達の子どもが今度洗礼を受けるんだけど、プレゼントで何がいい?」

何年も連絡を取ってない知り合いがFBでも消えてしまうと、、、もうすでに電話番号も知らないから、
この世での縁が完全に切れてしまったりする。

一時期は、毎朝「お気に入り」に登録していた、かなりの数の写真系のブログを読むのが日課であった。
家族の写真、風景写真、見てて堪らなくなる写真、眠っていた記憶を呼び醒ますような写真、昭和を感じてしまう写真、、、。
突然ブログの更新が止まり、時間が流れ、それでもブログの更新は止まったままだったりする。
2013年の2月が最後の更新、、、僕がイタリアに行く前だ。
2019年の10月の最後の更新、、、この方は、かなり歳だったけど、お元気かな、、、などなど、
時々そういったブログを確認して、更新されてないことを確認する。

この季節になると、マクロレンズをつけて写真が撮りたくなる。
僕もかなり久しぶりの更新だ。
















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その限りについて、、、。

2021年02月14日 | Digital


Nikon Z6 / Nikkor Z 24-70mm f/2.8 S / 202011 / 福岡黙想の家

ここ最近、休刊、閉館、閉刊、閉鎖という言葉を聞くことが増えた。
毎月欠かさず買っていた『アサヒカメラ』が休刊(実質閉刊)になったことには大きな衝撃を受ける。
戦前から続いてきた雑誌がこんなにも無力に倒れるとは、、、思わず息を呑んでしまう。

福岡黙想の家も、12月を最後に閉館することだけは決まっていた。(実際その後どうなったのかは知らない。)
その最後に滑り込む形で何日間を過ごし、これほど素晴らしいところが無くなることに、、、
とても残念だな、と思った。
思うだけ、何も出来ない。

道を歩く。
まわりは常に変わっていく。人も、建物も、風景も、、、
そしてその限りについて考えてしまう。






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天国の門を開こうとするみたいに、、、。

2020年10月25日 | Digital


Nikon Z6 / Nikkor Z 50mm f1.8 S / 長崎市茂木若菜川 

車椅子の彼女。
生きて来られた重い年月だけに、硬く閉じられた目はなかなか開くことがなかった。
それでも、彼女は自分の罪を告げる前に、
その細い指で目を開けようとする。
天国の門を開こうとするみたに、、、。

「もう大丈夫ですよ、そのままで、、、」

乾いた唇からささやく声。
でも、聞き取れない言葉に、ただただ「はい、はい」と答える。

そして、どれだけ私たちを神様が愛しているかを語りかける。
「、、、だから、大丈夫ですよ、安心していいですよ。」










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