5月に刺したバラのクロスステッチをポケットにして白の麻地でパジャマを作った。
夏用のパジャマはすべて、えりなしで、ながそで・長ズボンにしている。これはバラの好きな友人Kさんのために作った。
東京の短大で同じクラスだったKさん。 付属の中学・高校があったその短大は、地方から入学した人と付属高校から進学した人がいて、付属の高校からの人たちは、真面目グループと、遊び人グループに分かれていた。真面目グループの数人は卒業後も研究職として残ったような優秀なひとたちだが、服装も化粧も派手なグループは、地方出身の私たちとは交わろうとしないで、かたまっていた。
Kさんは九州出身だが、すらりとした美人で、とても気さく。お高く留まっている人たちとも、どんくさい人とも分け隔てなく接していた。
東北出身の私は、服装も化粧も派手なグループの人とは1線を引いていたが、やはりあか抜けないというコンプレックスはあった。何かと消極的で人見知りな私に話しかけてくれて、集団行動のときには、仲間にいれてくれた。卒業後は会うことはなくなったが、年賀状はつづいている。
仙台を訪ねてきたとき、ガーデニングが大好きという彼女に、お庭を見たいといわれたが、どしゃぶりで庭を案内することができなかった。東京郊外にたくさんのバラを植えたという、彼女の庭も私は見ることができなかった。
Kさん、ありがとうね。