今、山庭の主役はシャクヤク。
一番花に続いて次々と大輪の花が咲いている。
先週末はお天気も良くて
お日様をいっぱい浴びて気持ち良さそうだ。
いつも思うのだが、シャクヤクは
冬の間、地上からすっかり姿を消してしまうのに
春になると忘れずに目を覚まし
こんな豪華な花を咲かせる…そのパワーの凄さに驚く。
このシャクヤクは花びらの先が枯れ始めているが
バラが咲き始めるまであともう少し
それまで頑張って咲き続けてくれるかな？
そのシャクヤクの横で軽やかに
ダンスを踊っているようなチェリーセージ。
紅白の衣装を着けたこの子たちも
今、すこぶる絶好調だ。(笑)
爽やかな青色の花を咲かせているのは
ペンステモン・ヘブンリーブルー。
昨年秋に植えた宿根草で
今、いろんな場所ですくすく育って咲いているが
果たして山の厳しい冬を越して
宿根草として根付いてくれるだろうか…。
今から心配しても始まらないが (笑)
うちの山庭を気に入ってくれるといいのだけれど…。
セントランサス・コッキネウス。
これも同じく秋に植えた新顔の宿根草だが
やはり、根づいてくれるかどうか心配だ。
そんな宿根草が入り乱れる花壇の中に
すっくと伸びたバーバスカム。
黄色い花が下から順にゆっくりと開花してきた。
そのペースの遅さには笑うしかない。(笑)
その後ろに控えているクリーム色のジギタリスも
プラムの木の前のピンク色のジギタリスも
ほぼ満開に咲き揃ってきた。
その横で紫色の小さな花を咲かせているのは
３尺バーベナ。これも新顔の宿根草。
毎年お馴染みのホタルブクロも
たくさんの蕾をつけて開花待ち状態だ。
バラも少しずつ咲き出した。
真っ赤なニコロ・パガニーニ。
花びらを虫にやられたパフ・ビューティー。(笑)
そして、つるバラのアンジェラ。
この季節、病害虫の被害に遭っているバラが増えて来た。
なるべく薬剤を使いたくないので
虫を見つけると潰したり、挟んで捨てたりと
残虐行為を繰り返しているのだが…(笑)
それでも気がつくとやられてしまっている。
「ボク、みたいに…ですか？」
そうそう、ノラくんみたいに酷いことに…。
「ふ～ん、バラもやられて…大変なんですね…」
そうよ、生きて行くのはみんな大変なんだから…。
「だったら…バラも、ボクみたいに栄養つけないと！」
そうだね、しっかり肥料をあげないとね！
「あっ！栄養が来た！」(笑)
ノラくんはいいよね！優しいオジサンが栄養くれるから…。
「それは、オジサンがボクのこと好きだから…」
好きだから？
「こうやって、喜んでご飯をくれるんです！」
そう、ノラにご飯をあげるのを
オジサンは楽しみにしているみたいよ。
「ま、お互いウィンウィンの関係ってやつですよ！」
ウィンウィンの関係って…(笑)
そうか…ノラくん、案外したたかなんだね。
「フフ…それがノラ猫の知恵ってもんですぜ！」
ちょっとノラくん、ケガしてから人格が変わってない？
何だか…悪徳商人の越後屋みたい。(笑)
「ふ～っ、食った食った…。美味かったぜ！」
まだ、越後屋が続いてる…(笑)
「オバサン！バラにもしっかりと栄養をやんな！」
あ、ハイッ！わかりました…。
「じゃ、またな…あばよ！」
今度はまるで「寅さん」みたいな捨て台詞を吐いて(笑)
肩で風を切りながら颯爽と
引き上げて行ったノラにゃんこだったが…
実は露天風呂の横でこっそり隠れて
食後のお手入れを念入りにしていた。(笑)
そして納得いくまで身だしなみを整えたノラは
風呂のテラスの柵の間から
「ヨイショ！」と下に跳び降りて
スタスタと山庭を歩いて
お宮の森を通り抜け
いつものように、ねぐらへと帰って行った。
私はその姿を見送りながら
夜汽車で旅立っていく寅さんを見送る
妹のサクラさんの切ない気持ちに自分を重ねた…。
な～んて、以前の私ならセンチメンタルに
感情移入したいところだが…。
でも、今は違う。
緊急事態の中でノラにゃんこが見せた
傷の痛みに耐えながら必死に頑張っている姿や
自力でケガを治そうとする野性の本能。
何より旺盛な食欲で逞しく生きようとする姿…。
そんな健気で可愛い姿だけじゃなく
時には性悪の「越後屋」、時にはフーテンの「寅次郎」(笑)
そして、時には片目のノラ猫「タンゲくん」と
実にいろんな顔を持っているのがわかったからね。
もう、同情するのはやめた。(笑)
これからは一人の人間と一匹のノラ猫として
対等のつきあいをしていかないと
「いつまでもペット扱いしてんじゃね～よ！」と
ノラにゃんこに叱られそうだ。(笑)
