イギリスの旅4日目はコッツウォルズ地方へ。
湖水地方に負けず劣らずの世界的に人気の観光地だ。
最初に訪れたのはバイブリ―村。
コッツウォルズを代表する有名な村で
イギリスでいちばん美しい村と呼ばれている。
この村の中を流れる川で出迎えてくれたのは
お茶目な格好で魚を獲っている鴨だった。(笑)
旅の本やパンフレットでよく見たことのある風景。
アーリントン・ロウの家並み。
はちみつ色のコッツウォルズストーンで造られたこの家は
昔は羊小屋だったのを民家にしているらしく
今も実際に人々が暮らしているので
みだりに窓から家の中を覗いてはいけない。(笑)
なだらかな坂道沿いに同じような石造りの家が続き
村の中をぐるーっと散策することができる。
石壁につる性の植物を這わせた建物が多くあり
緑の木々に覆われた川沿いの道を歩いて行くと
この村の小さな古い教会に辿り着いた。
教会の中には美しいステンドグラスがあり
子どもたちが何か課外学習の最中だった。
どの建物も石造りで豊かな緑に囲まれていて
家々の庭には色とりどりの花が咲き乱れていた。
どこの家の庭もよく手入れが行き届いており
まるで庭の美しさを競い合っているように感じる。
このコッツウォルズに土地を買って
こんな家や庭に囲まれて老後の人生を過ごすのが
リタイアした英国人の憧れなんだとか…。
そりゃあ、そうだろう…。
誰だって憧れるよね、こんな暮らし。
私だって住んでみたいよ。(笑)
でも、それはどだい無理な話なので
今のこの山暮らしを少しでも理想に近づけるように
日々努力を重ねるしかないのだ…と自分に言い聞かせる。(笑)
バイブリ―村で見かけたこのピンクの花は
薄黄色の覆輪葉が特徴のオーレオパリエガータ。
オオベニウツギの仲間らしい。
豊かな緑あふれる川辺で羽を休める水鳥。
コッツウォルズ地方にはこのバイブリ―村のような
いくつもの美しい村々が点在している。
ロンドンから車でわずか2時間という近くにあって
このように時代から取り残されたような
昔のままの姿を残した村々があるのはなぜか…。
不思議に思って調べてみた。
もちろん便利なネットで…(笑)
するとその理由がわかった。
そもそもコッツウォルズとは「羊の丘」という意味で
この地方は古くから羊毛産業で栄えていたらしい。
ところが18世紀半ばから始まった産業革命以降
石炭を産出しなかったこの地方は鉄道網から取り残され
近代化の波に乗り遅れてしまったのだ。
なので昔ながらの佇まいがそのまま残ることになった。
どうも、そういうことのようだ。
しかしその後19世紀になり
産業革命による様々な弊害が露わになり
この地方の良さが見直されることになったという。
時代の変化から取り残されたお陰で
こうして脚光を浴びることになろうとは…
何とも皮肉なものである。
ここにもイギリスの人々の自然を愛する
ナショナルトラストの精神が
少なからず影響を及ぼしているのだろう。