noriba-ba's garden

イギリスの旅その11~ウェストエンドからナショナルギャラリーへ~

大英博物館からナショナルギャラリーへと向かう途中

ウェストエンドの通りを通って行った。

ここはニューヨークのブロードウェイと並んで

演劇やミュージカルを上演する劇場が多いことで有名だ。

バスの窓からもいくつかの劇場を見かけた。

この古めかしい建物はパレスシアター。

2016年7月から「ハリーポッターと呪いの子」という

映画でも大ヒットしたハリーポッターシリーズの新作を

原作者が舞台用に書いた演劇を上演している。

なかなか評判がいいらしくチケットの入手が困難だという。

こちらは有名なミュージカル「レ・ミゼラブル」を

上演しているクイーンズシアター。

何と1985年の初演から30年以上のロングラン上演は

ウェストエンドの最長記録なのだそうだ。

そしてここはハー・マジェスティーズ・シアター。

ミュージカル「オペラ座の怪人」を

こちらは1986年からロングラン上演している。

 

この他にウェストエンドには大小さまざまな

40ほどの劇場が集まっていて

16世紀後半にはかのシェイクスピアもグローブ座などで

すでに芝居を上演していたというから歴史は古く

400年以上も前から劇場文化が栄えていたことになる。

そして今も世界中から多くの演劇ファンが訪れる

まさに演劇・ミュージカルのメッカだ。

 

かく言う私も演劇好きなので

多くの劇場が立ち並ぶウェストエンドの通りを

今回は車窓から羨ましく眺めながら

後ろ髪引かれる思いで通り過ぎて行ったのだが…

いつかまたロンドンに来ることがあれば

今度はぜひ本場の演劇を観てみたいものだ。

そうこうしているうちに

ナショナルギャラリーの建物が見えてきた。

目の前で見ると圧倒されるほどの迫力だ。

入場待ちの大勢の人々の列に並んで

大英博物館の時と同じように

厳重なセキュリティーチェックを受けたのち

ようやくナショナルギャラリーの建物の中に入った。

ちょうど私たちのイギリス滞在中に

マンチェスターでテロによる爆発事件があったり

その前後にもロンドンで何度もテロ事件があったりするので

こうしてセキュリティーも厳しくなるのだろう。

平和な日本では考えられないことだが…。

このナショナルギャラリーは

13世紀から20世紀初頭までのヨーロッパ絵画の

様々な画派の作品を網羅した2300点を超える作品を所蔵し

年間500万人も訪れる世界的にも名高い美術館だ。

館内は新館と本館に分かれており

まずは13世紀から15世紀の作品を展示している新館から。

パオロ・ウッチェロの代表作「サン・ロマーノの戦い」(1438年)

三連作の一枚で、他の二枚はパリのルーヴル美術館と

フィレンツェのウフィツィ美術館に所蔵されているらしい。

どちらの美術館にも行ったことがあり

特にウフィツィ美術館は昨年の12月に行ったばかりなのに

観た記憶が全くない…。(笑)

ヤン・ファン・エイク「アルノルフィーニ夫妻像」(1434年)

ここでは1、2の人気を争う作品で

15世紀にしては細かな部分まで観察して描かれており

油彩画の基礎を築いた美術史の中でも貴重な一枚だそうだ。

ボッティチェリ「ヴィーナスとマルス」(1485年)

ルネサンスの巨匠ボッティチェリが好んで描いた、美の女神ヴィーナス。

その絵の前で説明をする学芸員と思しき女性の

芸術的なファッションの方に目を奪われてしまった。(笑)

レオナルド・ダ・ヴィンチ「岩窟の聖母」(1503~1506年)

言わずと知れた天才、レオナルド・ダ・ヴィンチの傑作。

ナショナルギャラリーでも指折りの人気作品で

洗礼者ヨハネ、聖母マリア、イエス・キリスト、天使が描かれている。

「聖アンナと聖母子(画稿)」(1499~1500年)

ダ・ヴィンチの数少ない秀逸的下絵秀作と言われる本作は

画家晩年期の最高傑作のひとつとされている。

新館のセインズベリーウイングから本館へと移動し

16世紀から17世紀の絵画を展示している

内装の美しさも素晴らしい本館西側のエリアへ。

ラファエロ「ローマ教皇ユリウス2世の肖像」(1511年)

レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロとともに

ルネサンスの三大巨匠と呼ばれている。

ハンス・ホルバイン「大使たち」(1533年)

常に人だかりができている人気作品で

肖像画の傑作でありながら、だまし絵としても有名な一枚。

二人の大使の足もとに横たわる謎の物体は何か…

この絵を向かって右側から見るとその実体が明らかになる。

何と頭蓋骨が浮かび上がってくるのだが

この写真ではあまりはっきりとは見えなくて残念。(笑)

上手に撮るとこんな感じにリアルな頭蓋骨が…。

頭蓋骨を描くことで「メメント・モリ(死を忘れるな)」という

この時代の教訓を含めているのだとも

頭蓋骨をあえて歪めて描くことで

「現実は正面からだけでなく正しく見ることではじめて明らかになる。」

という作家の意図が込められているとも言われている。

この他にもたくさんの絵画が展示されていたが

わずかな時間ではじっくりと鑑賞することもままならず

消化不良を起こしそうだった。(笑)

せめて館内のベンチに腰掛けてゆっくりとしたかったが

まだ16世紀までしか観ていない。

この先には17世紀以降の絵画の部屋があるのだ。

私の好きなゴッホやフェルメールの作品も待っている。

さあ、元気を出して先へ進もう…。


続きは次回ということで。


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コメント一覧

noriba-ba
zooeyさんへ
はじめまして。コメントありがとうございます。
zooeyさんも海外旅行がお好きなのですね。それも、30か国以上も行かれているとか…。凄いです!
ロンドンでは舞台も観られたそうで、羨ましい限りです。私もいつかウェストエンドで舞台を観たいのですが、この状況ではいつになることやら…。
去年の今頃はウィーンの街で、地球温暖化デモを眺めながら、カフェでお茶を飲んでいたなぁ~と、懐かしく思い出しています。(笑)
お互い、また海外旅行に行ける日を楽しみに、それまで元気に頑張りましょう!

zooey
http://blog.goo.ne.jp/franny0330
はじめまして。
私もロンドンに2回ほど行き、クィーンズ・シアターで「レ・ミゼラブル」を、ハー・マジェスティック・シアターで「オペラ座の怪人」を観ました。
どちらもネットで大分前に予約していったように思います。
ミュージカルは素晴らしかったのですが、どちらもトイレが少なく、旧式な代物で大変でした。
まあイギリスですから仕方ないのですけどね。
ナショナルギャラリーなど同じような所に行ったなあと懐かしく記事を拝見しました。
コロナで海外にも当分行けなくなってしまいましたね。
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