


つべたい雨。正午7℃。「啓蟄の土をうるほす雨ならん 虚子」。しとしとと春の花を潤しつつ地虫を這いださせる。囲いの煉瓦を外すとダンゴムシが。
部屋籠りしてうとうとす。お昼はパスタ・トマトソースにインゲン豆、鶏ささ身の甘辛焼きをのせて。ひとり。
午後、S病院に妻見舞う。きのうと打って変わった様子。蛸足のようなチューブ配線を大方はずし独り立ちしてゆっくりだがものをいう。あさ、Y先生が来て「乗り超えましたね」とおっしゃったという。嬉しそうな顔。見学の看護学生も驚いていたとか。娘からの桃の花の造花を渡すと満面に笑みが戻った。ティッシュなど一日で一箱空くという。追加する。一歩一歩やで。
啓蟄の雨に現るだんご虫 昇龍子