たまたま録画してあった再放送を、ようやく見た。
アフガニスタンで、医師として活動していた日本人が、
「干ばつで水がない。医療の基本として、水を引こう」
と考え、現地の農民たちと、10年余をかけて、砂漠に用水路をひいた、というドキュメンタリー。
ちょうど9.11の頃にもなるが、現地は「長老でも記憶にないほどの、ひどい干ばつ」。
「…ここを見たら、支援するならともかく、爆撃しようなんて、思わないはずだが…」
砂漠が広がり、農業はできず、飲み水にも困り、子供たちは栄養不良と、基本的な衛生不良から、弱っていく。
男たちは農耕もできず、出稼ぎに行き、さまざまなところで傭兵として兵士になる。
ワタシは、グローバル化の結果、イスラム圏が貧しくなっていったイメージを持っていたが、そういえば、シリアも干ばつと飢饉が、治安を悪くした原因だと聞いた。
もともとお医者さんであって、土木の知識もないのに、日本の古い技術を調べ、現地のひとたちと作り始める。
現地のひとびとも、農民でありながら、自分たちで石を加工して家屋など作る背景があり、自分たちで補修できる用水路を、自分たちで作る。
用水路建設中、この元お医者さん自身、戦闘機の機銃掃射を受けたことがある。
「あぶないとこだった」
今は、緑の耕地が広がっている。
農業ができるので、住人たちが戻ってきた。
アフガニスタン全体の数パーセントではあるけど…。
現地のひとたちが、自分で維持できるものを作るのは、必須とは思うけど…。
本来お医者さんであるひとが…。
「水が必要なのは、現地にいればわかること」
とは言うものの…。
こんな基本的な援助に、国際的な支援や技術者派遣がなかったのは、なんか不思議だー。
(でも、支援は「気まぐれ」だと現地では思われている。気まぐれに放り出すのではないかと、現地の人々が、この医師にも言っていた…)
これが現実なんだろうな。