荻伏共同育成場日誌

北海道浦河町にある競走馬育成牧場・荻伏共同育成場の場長が日々の風景をお届けする徒然日誌。

『ヴィクトリアマイル(G1)』の結果分析

2016-05-18 05:26:32 | 競馬
 牝馬マイル王決定戦となる先週日曜日東京競馬場で行われた『ヴィクトリアマイル』。ウォッカやブエナビスタ、そしてアパパネなど能力の高さで勝ち切る馬がいる一方、ホエールキャプチャやヴィルシーナ、それに昨年の覇者ストレイトガールなど適性でタイトルをものにする馬がいて難解なレースとなっています。今年の1番人気は昨年の牝馬2冠馬ミッキークイーン、2番人気は昨年の『ジャパンC』勝ち馬ショウナンパンドラと底力がある馬が距離を克服するとみて人気を集めました。
 レースでは逃げると思われた3番人気スマートレイヤーのハナをレッドリヴェールが叩くという意外な展開。おまけにペースが落ち着いたところでカフェブリリアントがかかって行ってしまい1000m通過が57.2秒という速い流れに。ミッキークイーン、ショナンパンドラは中団から同じような位置取りで追走。直線に入るとぽっかり空いた馬場の3分どころから昨年の覇者ストレイトガールが力強く抜け出すとあとは独走。勝ち時計は1.31.5。強いというしか形容しようがないほどの強さで連覇。7歳牝馬という本来ならば引退してもおかしくない年齢ですが、パドックでは気合が入りすぎではと思わせるほど生気がみなぎり充実ぶりをうかがわせていました。
 父フジキセキ、母ネヴァーピリオド、母の父タイキシャトルという血統。祖母の半兄に重賞2勝のオースミブライト、半妹に重賞3勝のオースミコスモがいます。『ヴィクトリアマイル』は今年で11回目ですがそのうち4回もフジキセキ産駒が制しています。次走は未定だそうですが、『安田記念』に良い状態で出走できればモーリスの強敵になるかもしれません。

 2着はショウナンパンドラとの競り合いを制したミッキークイーン。4コーナーでもたついたのはマイル適性の差なのでしょうか。それでも伸びてくるあたりはやはり地力の高さがうかがえます。3着ショウナンパンドラはマイルの速い流れで持ち味の切れ味が削がれてしまった印象。こちらも地力の高さは証明できたと思います。