荻伏共同育成場日誌

北海道浦河町にある競走馬育成牧場・荻伏共同育成場の場長が日々の風景をお届けする徒然日誌。

思い出の『優駿牝馬S』~2007年~

2016-05-19 05:21:20 | 競馬
 ジュエラーの故障により桜花賞馬不在で行われる今年の『優駿牝馬S』。桜花賞馬不在の『優駿牝馬S』と言えば、あの牝馬最強世代との呼び声も高い2007年クラシック世代が思い出されます。『桜花賞』ではウォッカアストンマーチャンダイワスカーレットの対決で盛り上がり、ダイワスカーレットがウォッカを封じ込め桜花賞馬に輝きました。7着に敗れたアストンマーチャンは元々距離不適で回避。ウォッカは翌週の『東京優駿』へ果敢に挑戦。ダイワスカーレットが大本命で臨む予定でしたが直前の熱発で回避。押し出されるように1番人気に推されたのはトライアル『フローラS』を強烈な差し足で制したベッラレイア、2番人気は前哨戦『忘れな草賞』を制したザレマ、3番人気は『フローラS』で接戦を演じたミンティエアー、『桜花賞』最先着(3着)のカタマチボタンは4番人気と別路線組に人気が集中しました。
 レースではスマートストームが逃げる中ザレマ、カタマチボタン、そしてベッラレイアも意外な先行策。直線ベッラレイアが抜け出し押し切るかと思われましたが、大外から追い込んできた桜花賞4着のローブテコルテがハナだけ交わし第68回『優駿牝馬S』を制しました。ローブテコルテはこの後の米国遠征などの影響もあったのでしょうか芳しい成績を残せませんでした。このレースが一世一代の大仕事だったわけです。ベッラレイアは牝馬一線級で活躍し続けるも勝ち星からは見放されてしまいました。このレースに出走しなかったウォッカ、ダイワスカーレットは説明不要稀代の名馬に、アストンマーチャンも『スプリンターズS』を制し念願のG1馬になりましたが翌年病気では早世しています。
 桜花賞2着のシンハライトと『フローラS』快勝のチェッキーノが人気を集めそうな今年の『優駿牝馬S』。うちのデンコウアンジュも出ますので応援よろしくお願いします。

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