思い出の『プリンスオブウェールズＳ』～2000年～ドバイミレニアムvsセンダワール

　古今東西戦わざるライバルというのが存在します。同じ路線で走っていながら巡りあわせや陣営の思惑などが働いて対戦が実現しないことは競馬だけに限ったことではありません。1999年のマイル路線はそれを象徴するかのような年でした。
　『プール・デッセ・デ・プーラン（仏2000ギニー）』快勝後、3歳マイル王決定戦『セントジェームズパレスＳ』を制し、フランスへ戻り『ムーランドロンシャン賞』も勝ったセンダワール Sendawar。
　距離が長く惨敗した『ダービーＳ』以降マイル路線に転じ、フランスに遠征し不良馬場での『ジャックルマロワ賞』を制し、これまた馬場が悪化した『クイーンエリザベス2世Ｓ』では6馬身差の圧勝したドバイミレニアム Dubai Millnnium。
　同じ路線を歩みながらも不良馬場が苦手なセンダワールがドバイミレニアムが勝ったＧ1・2戦を回避したため対戦は実現しませんでした。年が明けると2頭とも中距離路線に駒を進めます。ドバイミレニアムは前哨戦を楽勝し迎えた『ドバイワールドＣ』でもアメリカ古馬最強ベーレンズ以下を強烈な逃げ脚で影さえ踏ませず6馬身差の圧勝。対するセンダワールも『イスパーン賞』を3馬身差の快勝。
　そして戦わざるライバルがいよいよ対決するときが来ました。しかもお互いがキャリアのピークを迎える時期にロイヤルアスコット開催という最高の舞台で。

　対戦当日のレーシングポストです。「ザ・パーフェクト・マッチ」と銘打たれたこの一戦。
　レースではドバイミレニアムが予想通りの大逃げ。センダワールは離れた2番手。脚色が鈍らないドバイミレニアムを見てセンダワールが自分で動いて捕まえに行きますがなかなかとらえることができず、逆に直線で突き放されドバイミレニアムの圧勝。センダワールは後続にも交わされ4着に終わりました。
　興味がある方はこちらにレース映像があります。

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