荻伏共同育成場日誌

北海道浦河町にある競走馬育成牧場・荻伏共同育成場の場長が日々の風景をお届けする徒然日誌。

今週の注目新馬『ノッキングポイント』

2022-06-05 21:57:28 | 競馬
 今年もこの季節がやってきました。
また新しい世代が来年のクラシックを目指して始動しました。サトノダイヤモンド、ミッキーロケット、サトノクラウンと開幕週に新種牡馬の産駒が3頭も勝ち上がる異例の事態ですが、開幕週で一番目を引いたのはその3頭の産駒ではなく2年前大きな期待をされながら当初はその期待を裏切ったモーリス産駒です。

 土曜日東京5レースの新馬戦(芝1600m)。1番人気に推されたのはノッキングポイント。筋肉質で目を引く馬体、血統背景、ルメール騎手ということもあって、競馬紙上の印よりも人気になっていました。僅差の2番人気はグローリーヴェイズの半弟にあたるエゾダイモン。3番人気は新種牡馬リアルスティール産駒のオールパルフェと続いていました。
 レースでは1枠から飛び出したオールパルフェが1000m通過が1.01.6というゆったりとした流れ。エゾダイモンは内の3番手、ノッキングポイントは外の5番手を追走。直線ではノッキングポイントが1頭だけ違う手ごたえで抜け出し、ノーステッキで2着オールパルフェに3馬身差をつけて圧勝。勝ち時計は1.35.3。
 父モーリスは日本と香港でG1・6勝。産駒も初年度から『スプリンターS』を勝ったピクシーナイトなどを輩出しましたが期待が高すぎたこともあり、いまいち評価されていません。母チェッキーノは『フローラS(G2)』など3勝し『優駿牝馬S』でも2着に入った名牝。故障がなければという声も大きかった馬です。祖母ハッピーパスは『京都牝馬S(G3)』など5勝。叔父に『東京スポーツ杯2歳S』のコディーノ、祖母の姉に『マイルCS』のシンコウラブリィなど活躍馬多数。生産は安平のノーザンファームさん。

 どちらかというと距離は短いところが向いてそうな血統構成ですが、レースセンスの高さとスケールの大きさで距離も克服してくれるかもしれません。

 レース未見の方はJRAのHPで見られるのでチェックしておいてくださいね。

 同業者やこの仕事に興味がある方はコメントくださいね。


コメントを投稿