さて、九州山旅の初日は無事に終えて、愈々今朝から祖母山への登山開始の朝を迎えたのでした。 「旅の衣は鈴掛けの・・・・」 いやこれは一寸違います、勧進帳の話ではなく、登山の一部始終をお話する所なのです。 前夜泊まった宿の窓から眺めた高千穂随一の橋、その橋の名は・・・“愛染橋 じゃあない(歌の歌詞と読み違えて失礼!)。 橋の名は「神都高千穂大橋」 と何とも仰々しい橋名が付けられていたのでした。流石は神話の世界なのです・・・・!
朝食もそこそこに山登りの仕度を整えて向かった先は、祖母山北谷登山口へ・・・、獣しか通らない様な狭い道を延々と走って辿り着いた北谷登山口では既に何台かの登山者の車が駐車しており、“スハ出遅れたかと気は焦り・・・” 装備を確認後一行は山道を登り始めたのでした。 一合目、二合目と順調に登っていたのでしたが、途中難路を繰り返す内にやっとこの七合目に到達! 然し情けない事に我が老体は既にエネルギーを使い果たし(矢弾打ち果たし?)疲労困憊の状態となり、逢えなくもこの先の見通しの良い場所にて本隊と涙を飲んでの別れと相成った次第なのでした・・・(涙) 見かねた家人もだらしない連れ合いに仕方なく付き添ってくれて暫しの休息、命の水で口を湿し、行ける所までとやおら歩を伸ばしてみたのでした・・・・!
そして、八合目目前にこの様な広場に出て、遥か前方の頂上を眺め遣りながら、此処で登りを断念、吹き渡る風も心地好く、一体のお地蔵様に此処まで来れた感謝の念を述べて、昼食を摂った事でした。 蒼い空に白い雲・・・、眼前に聳ゆる祖母山山頂・・・・、断腸の思いを胸に秘め、食後とぼとぼと下りの道を元気よく(?)下山と相成った次第!!
緑濃き祖母山山頂は目と鼻の先の様に見えていたのでしたが、登り路に向かう気力も失せ、心中に明日の久住山こそは完登するぞと誓い、来た道をゆっくりと下り、本体が戻り追い付くのを待っていたのでした。
北谷登山口まで下山後、気分を取り直し、一路次の宿、大分県・竹田市へと走り抜けて無事に久住山の麓に在る宿「久住高原荘」に到着! 明日も天気は良さそうだ、温泉に浸かって疲れた身体を休め、疲労回復には当然の事ながら活力源の旨い地元酒で英気を養って床についた次第でした。
上下2枚の絵は、宿からの朝の眺め・・・、遥かに眺めやる阿蘇連山の雄姿で、下の絵は中岳の噴煙が静かに右横へたなびいていたのでした。 又上の絵は、仏様が横たわっているように見える涅槃像に見えませんか?? 左側が神々しいお顔で見事な胸を真っ直ぐ上に、静かにお休みになられているかに見えたものでした。
宿後方にはこれから登る久住山の雄姿が眺められました、連チャンの山登りは初の試み、ましてや昨日は不甲斐無い結果に終わり体力の無さに少々ショックの態の筆者でしたが、今日こそは眼前に迫るあの山に何が何でも登頂するぞと、武者奮いの気力を打ちたてて、イザ行かん あの山へ・・・・、“何故 人は山に登るのか・・・其処に山があるからだ” と誰かが言った様な・・・?!
3日目・・・、今朝も元気(?)に2台の車に分乗して宿から久住山登山口“牧ノ戸登山口”へ到着。 数ある登山口の内、ここからの登山道が初心者向けの一番優しい登山道なんだそうな・・・・? とは言え、このスタート地点は見るからになだらかそうな登り道なのだが、林間に隠れた先には急斜面の階段が待ち構えていたのでした。 ギクッ !! 然しその急階段を登り詰めればその先は楽な山道が続くと記されていたような・・・?? 頑張るんだ どうかんな! 今日こそは山頂に立つんだ と、昨晩心に誓ったばかり、“打ちてし止まん イザ戦場へ ” そんな大げさな・・・!!
途中、休み休みの休息を取りながらも見えてきました山頂が・・・・、頂上は目前だっ イザ進め、やれ進め 左右の足を交互に一歩また一歩 と、最後の急坂を息も絶え絶えながら前進あるのみだったのでした!!一番最後の萌黄色のリュックを担いだ筆者、山頂は目と鼻の先ではないかと気力を奮い立たせて前方を見つめ、何やら感慨深い哀愁漂う(??)後ろ姿なのでした!
遂に来ました、久住山山頂、標高1786.5m・・・・遥か眼下に九州の大地が眺められ、やっと来ました おっかさん(じゃあない!) 感動の山頂からの眺望でした。 此処まで来れたのも偏に御一緒させて頂いた「飯能勤労者山岳会」 の皆様の手厚い御助力があったからだと、本当に心から感謝しつつ嬉し涙で目頭曇るひと時だったのです。 有難うー 皆さん!!
山あり谷あり 階段あり岩場ありと、なだらかな中にも起伏に富んだ九州随一の名山 “久住山” 暫し満足感に包まれて爽やかな山頂の風を受けながら やがて来た道を辿り、登頂の喜びを噛み締めながら下った様な登山でした。
後ろを振り返ると、さっきまであの山頂に登ってきたのだなぁーと感慨深い久住山の姿なのでした。
下る路みちからも下界の眺めが目に入り、緑なす大地 白い雲 蒼い空もより一層気持ち好く眺められたのです。 爽快感、満足感 と、諸々心を過ぎる嬉しさいっぱいの下り路でした。
宿に帰着後の夕景の眺めも心なしか穏やかで、優しい夕焼け空を静かに観ていました。
と 云った処でこの山行旅の3日目は終えたのですが、肝心の“ミヤマキリシマの花” の事を書くのをすっかり忘れていました。 そんな訳でこの続きは又後日に最後の観光なども合わせて書き綴りたいと思い、一先ず今回はこれにて・・・・、さて花は咲いていたのでしょうか?お楽しみに!!