【悠久の「土笛」神への祷り】土笛カバー:シルクロード
「神宿る島」宗像 沖ノ島 関連遺産群の特別展が、宗像大社に隣接する「海の道 宗像館」でありました(福岡県五館連携)。
宗像大社は、日本各地に七千余ある宗像神社、厳島神社、および宗像三女神を祀る神社の総本社です。
宗像大社参拝と神宝館拝観と併せ、濃厚な知見を感得いたしました。
完全な形で出土した稀有な【土笛】(宗像市光岡長尾遺跡、福津市香葉遺跡)などが、古代海人たちのルーツを探る貴重な文化遺産として展示されていました。
山口県の綾羅木郷(あやらぎごう)遺跡の【土笛】が、昭和41年(1966)日本で初めて発見されました。
全国的には2014年時点で27遺跡115例(うち約7割が島根県)が知られ、完形、または完形に近い資料は17例のみ。
分布は日本海側の京都府の丹後半島、島根県の宍道湖周辺、響灘沿岸地域など、一部の地域で、年代も限定的のようです。
今回の展示品、宗像市光岡長尾遺跡の貯蔵穴から出土した【土笛】は、高さ9.7cm、最大径8.0 cmの完形品。
上部に径2 cmほどの吹口があり、正面に4個の指孔がある。弥生時代前期後半(約2200年前)作られたとされます。
以前、山口県の「下関市立考古博物館」
(綾羅木郷遺の【土笛】などを展示)を訪ね、「島根県立博物館」と「島根県立八雲立つ風土記の丘」を訪ねました。
今「宗像市立 海の道 宗像館」の歴史的社会的知見と併せ、【土笛】(Ocarina,オカリーナ)を通して、未来への新たな文化交流の可能性が広がります。
なお、宗像館では考古学クイズがあり、たまたま正解者として意外な贈り物🎁が届きました(^^)
大きさ10cmに収納出来る 手提袋・トートバッグ(写真)で、便利に使わせてもらっています❣️感謝😊🙏
ちなみに縄文時代なら、麻(アサ)やコウゾ、カラムシなど、草木の皮を「網代(あじろ)編み」にした「編布(あんぎん)」で作られ、袋の中にクルミが入った出土品もありますね‼️
⭐️【悠久の「土笛」神への祷り】土笛カバー "シルクロード" ( Played Ocarina by Akira.U)
:https://youtu.be/UMXcSR_xdH4?si=_9gRlqgKT8KT288b
🟨《参考》
世界の歴史的民族は、独自の音楽文化を育みましたが、源は、神に捧げるため、そして日々の癒しとして歌い奏でられ、独自の楽器も生まれました。
ウクライナでは約2万年前の骨製打楽器が、ロシアでは約1万5千年前の角製フルートが出土したそうですが、日本では目下、旧石器時代にさかのぼる例はないようです。
縄文時代(約1万5千年〜約2千4百年前)の前期(約6千年前)ごろから、東日本では 石笛や土笛、琴などが順次出現し、西日本に先行して音の文化が栄えました。
弥生時代になると稲作文化の伝来など、大陸から多くの文化が伝えられ、西日本地域にもこれまでの縄文時代とは異なる音の文化が伝えられたようです。
その一つが【陶塤(とうけん】とも呼ばれる【土笛】であり、いわゆる陶器「焼物の笛」です。
起源は目下のところ中国と云われ、河姆渡文化晩期(かぼとぶんかばんき・約6千5百年前)の遺跡などで出土しているようです。
宗像館の学芸員によれば、
日本海に面した宗像地域は、弥生時代に栄えた強国で金印の出土で知られる奴国(なこく・福岡市や春日市付近)などが採用した 甕棺(かめかん)という"ひつぎ" を用いた墓制を受け入れなかった地域であることにヒントが隠されています。
どのような"ひつぎ" で埋葬するかはその地域の大事な問題であり、よその墓制を受け入れるわけにはいかなかったと考えられます。
一方、"土笛" は稲作に伴う宗教儀礼に用いられたと考える説から、共通の祭祀をした一つの文化圏が想定されます。
つまり、土笛の分布や墓のあり方を検討すると、どうやら宗像の人々は、墓に甕棺(かめかん)を作らず、"土笛" を使った共通の祭祀をする日本海沿岸地域の人々と関わりが深かったと考えられます。