ギャンジャン

人は独りでは生きてゆけないのに人は独りで死んでゆく。刹那い一瞬に人は何を求める?

最後の朝

2009-10-19 23:58:01 | OKカヲルジャングル

30年近く続いた私の店が10月19日午前をもって閉店の運びとなりました。
24時間営業だったのが24時間休業になる。。。切ないです。
母が血のにじむ苦労をして大きくして父が潰しました。
父は経営のことを一切教えてくれませんでした。
この景気低迷のさなか大変なことはわかっていましたが、思い当たる節があって税理士さんを訪問。そこで衝撃の事実を知らされ続行はもはや不可能だと。
それでも父は続ける気でいたのが信じられない。数字を見れば誰でもわかることなのに。ボロボロの自転車をさらにボロボロにしてどこまで自転車操業を続けるつもりでいたの。
クソ頑固な性格が思考回路をぐちゃぐちゃに破壊していたの。
店もなくなる。家もなくなる。つらい現実です。
まさか自分が他人事のような大きな波に飲み込まれるとは1ヶ月前には想像もできなかった。
自己破産は免れませんが、弟が連帯保証人になっているのがあり、それはどんなことがあっても免責されません。それを思うと弟が不憫で。近々弁護士に相談に行くようです。

店は閉店日時を一部の人しか教えてないのに連日の大繁盛。
それでもやめなきゃいけないの。こっそり泣いていました。
常連さんに「もう終わりです」と言うと「冗談でしょ」「本当ですか」と一様に驚いた表情。
終わりなんです。みんなこの味を永遠に忘れないでね。

最初のお客さんの注文は当店1番人気メニュー肉ごぼううどん。鮮明に覚えている。
そして最後の注文はおぼろこんぶうどんでお別れの時間。永遠に忘れられない。

一人後片付けをしているとき涙がすたすたこぼれて止まりませんでした。
思い入れのある品物が多すぎるよ。たぶん今まで生きてきた中で1番泣いた。
この日を一生忘れない。

片づけが終わって店の神棚に手を合わせて深々と一礼。
店の鍵を閉めた瞬間、込み上げる思いを抑え切れなくて。
思い出だけを閉じ込めて、お別れです。
泣きながら親戚宅へ行ったらおじさんも泣いていました。

有線で流れていた優しい歌が心を刺しました。

守ってあげたい♪松任谷由実


You don't have to worry worry 守ってあげたい あなたを苦しめるすべてのことから。

さよならバス♪ゆず


立ち尽くす町並み ひとりぼっちには慣れてるのに どうして涙が止まらないんだろう。。。