JUN ROAD Ⅲ ~ラテン系半島人~

アナタがかつて 描いた「その日」共にHuntしてまいりましょう !

生き辛さを携えながらも顔をあげて

2012年02月14日 | 日記・エッセイ・コラム

昨日、ホームレスの方と話す機会があった

ホームレスと言うと、自転車の荷台いっぱいに空き缶を集めて回っている人
地下鉄の駅構内ベンチで座っている人を見かけたことはある

実際に話したのは初めての経験だった

その方は、ホームレスになる以前
技術職として長らく我が国の製造業の一翼を担ってこられた

景気の傾きで職場環境が徐々に劣悪
ご自身が精神的に病む危険にさらされ、やむなく退職

それがホームレスのきっかけだった

現在の日常毎日寝泊まりする場所を探す大変なご苦労
場所取りで刃傷沙汰になったことも
生活保護制度はご存知だが、制度を受けるには身辺調査がある
身元を特定されたくない事情があって、制度利用を拒んでいる

人に裏切られた経験
支援施設などの社会資源を利用する気持ちになれない
今日生きながらえる食べ物をどうやって得るか
それが毎日だと率直に話してくださった

その方は、話している間、ずっと笑顔だった
様々な喪失感を胸の奥深い場所にしまいこみ
明日への展望を見出すことが困難な生きづらさ
それと向き合う方が、間違いなく私の目の前にいらっしゃった

その方のお話を聞き終わった後
私に残った何とも言えぬ割り切れなさ

近々40代に突入する自分
この世の中が不条理に満ちていることくらい、少しは解る
でも、この方を「しゃあない」と片付けて良いとはとても思えない

健康で文化的な最低限度の生活を営む権利(日本国憲法第25条)
それが日々、脅かされている現実

お話を伺った後
2つの菓子パンと缶コーヒーを
「本当にありがたい」と深々とお辞儀をされて受け取り
肌に突き刺すような寒空の下
戻っていかれた後ろ姿
今も脳裏に焼き付いて離れない

昨年の震災
原発事故に見舞われた福島の人々のご苦労
自分ひとりではどうしようもない現実
それを少しでも改善して
ひとりでも多くの人が
その人なりの人生を楽しみ
共感できる人と繋がることのできる場所

そのような場所を
共感できる人々と共に創っていく

 
自らの心身も大切にしながら