◆◆8/1&8/2記事◆◆
◆8月1日 ハマス軍事部門トップの殺害確認 ガザ作戦「重要な戦果」 イスラエル(時事通信)
軍は1日、ハマスの軍事部門「カッサム旅団」トップ、ムハンマド・デイフ氏の殺害を確認したと発表した。イスラエルは、ハマスのガザ地区トップ、ヤヒヤ・シンワル氏らの殺害を狙っている。
◆8月1日 米高官 ハマス最高幹部殺害受け緊張悪化の懸念示す(テレビ朝日)
カービー大統領補佐官は7月31日、ハニヤ氏殺害で中東地域の緊張が激化の懸念を表明。ハニヤ氏の殺害は「事実確認も検証もできない」。停戦協議にとっての意味を判断するのは時期尚早、合意形成を続ける。ハメネイ師の報復を宣言には「中東地域における我が国の安全保障上の利益を守るために常に態勢を整えてきた」と述べた。
◆8月1日 ヒズボラ、司令官の死亡確認 イスラエルのベイルート空爆で(ロイター)
ヒズボラは31日、軍の攻撃でベイルート南部郊外の建物にいたフアド・シュクル司令官が死亡したと確認した。
◆8月1日 イラン、イスラエル報復見極め ハマス指導者殺害、緊張激化も(時事通信)
米紙ニューヨーク・タイムズは、ハメネイ師がイスラエル直接攻撃を命じたと報道。ロイター通信は、イラン高官がレバノンやイエメン、イラクの親イラン組織の代表と報復を協議すると伝えた。ハニヤ氏はイラン滞在中、ハメネイ師と面会していた。
ハニヤ氏は首都テヘラン北部で「上空からの飛来物」で殺害され、命中率の高い精密兵器が使われた可能性がある。イスラエルはイラン指導部も「いつでも標的として排除できる」との軍事力を誇示した。 ただ、両国とも本格衝突は望まず、米国などを巻き込む全面戦争は避けたいのが本音だ。
◆8月1日 イスラエル、ハマス軍事トップ・デイフ氏殺害を確認 ハニヤ氏に続き(毎日新聞)
デイフ氏は昨年10月の越境攻撃の首謀者の一人とされ、イスラエルが最重要の標的としていた デイフ氏は1987年にハマスに加入し、第1次インティファーダ(対イスラエル民衆蜂起)に参加。95年以降、イスラエルに対する自爆テロを主導し、2002年に軍事部門トップに就任すると、地下トンネル網の整備などを進めた。
◆8月1日 イランでハマス指導者ハニヤ氏の葬儀 国会議長「非常に大きな代償」(朝日新聞デジタル)
ハニヤ氏の葬儀が1日、テヘラン大学で行われた。ハメネイ師やペゼシュキアン大統領が参列。国会議長ガリバフ氏は「米国の支援なしには起こりえない」「想像できないような非常に大きな代償を支払わなければいけない」。
◆8月2日 ハマス指導者殺害で服喪 「ガザ停戦に打撃」 トルコ大統領(時事通信)
エルドアン大統領は1日、ハニヤ氏殺害を受け、2日を「国民服喪の日」にすると発表した。
◆8月2日 イスラエルへの報復明言 ヒズボラ指導者が警告(時事通信)
ヒズボラのナスララ師は1日、ヒズボラの軍事部門最高幹部が殺害されたことを受け、イスラエルに報復すると明言し、ゴラン高原攻撃への関与を改めて否定した上で、「見せ掛けではない真の反撃を模索している」とした。
◆8月2日 <ハマス最高指導者ハニヤ暗殺>見せつけた情報機関モサドの実力、ネタニヤフの思惑とは?(ウェッジ)
(1)モサドの暗躍。
背景には米国を紛争に引きずり込みたいネタニヤフ首相の思惑がある。大統領就任式にはハニヤ氏、ヒズボラ、フーシ派など「抵抗枢軸」のメンバーも出席、その行動は極秘事項。モサド諜報網がイラン内部深くに浸透おり、暗殺だけではなく、破壊工作も頻繁に起きている。中部ナタンズの核施設が爆破され、軍需工場や発電所などに対する放火事件も相次いだ。18年には、モサドがテヘランの秘密倉庫に侵入、イランの核開発文書を入手し、ネタニヤフ首相自身が自慢げに発表している。
(2)メンツ失ったハメネイ師
新大統領の就任式に招待した外国人の要人を自国内で殺され、イラン国内に外国工作員を野放し、防空網や治安態勢に大きな穴を内外に露呈した。ハニヤ氏は事件の前日にハメネイ師と面談、同師は完全にメンツを失った。ハメネイ師は緊急の最高国家安全保障会議で、「イスラエルに直接報復するよう」軍や革命防衛隊に命じ、イスラエルとの間で戦争状態に備えて、国防態勢を整備するよう指示した。
ハメネイ師の報復命令はこれまでに2回。1回目は20年、革命防衛隊の対外作戦担当のコッズ部隊司令官ソレイマニ将軍が米軍のドローンで暗殺された事件だ。イラクの米軍基地に弾道ミサイルを発射、米兵約100人が負傷した。2回目は24年4月、シリア・ダマスカスにあるイラン大使館がイスラエルの空爆を受けた事件。イランは同13日に350発に上る弾道ミサイルやドローンをイスラエル本土に発射した。
(3)真の狙いは「停戦協議つぶし」
ネタニヤフ首相はガザ戦争終結の条件として、ハマスの壊滅を挙げており、ハニヤ暗殺はその目的に合致している。ハニヤ氏は19年にカタールに亡命し、そこから指揮を執ってきた。今回のガザ戦争では、子どもと孫をそれぞれ3人ずつイスラエル軍に殺され、姉も犠牲になった。イスラエルは暗殺について「戦略的な沈黙」を貫いているが、治安機関シャバクの長官はガザ戦争ぼっ発後、ハニヤ氏を暗殺すると語っていた。
ネタニヤフの真の狙いは2つ。イランに対しては、イスラエルに手を出したり、核開発をこれ以上進めたりすれば、いつでも攻撃できることを警告するため。米国に対しては、ハマスの壊滅なしにはガザ戦争の停戦協議に応じられないことをあらためて突き付けた。
暗殺でバイデン大統領の停戦提案が実現するのは当面困難になったが、バイデン氏や民主党の次期大統領候補ハリス副大統領は訪米したネタニヤフ氏に早期停戦を強く要求していた。たが、ネタニヤフ氏が暗殺を通して回答したのは「停戦協議つぶし」ということだ。
(4)退路を断ったバイデンはどう動くか
ネタニヤフ氏には3つ目の狙い。それはイランを巻き込んだ戦争に拡大し、そこに米国を引きずり込むこと。ネタニヤフ氏が米議会演説で米国との連帯、一体化を強調した真意がここにある。暗殺の直前、軍はベイルートを空爆し、ヒズボラの最高幹部シュクル司令官を殺害した。バイデン政権が中東の緊張を緩和させようと尽力すればするほど、ネタニヤフ政権がぶち壊しにかかる構図だ。イランが報復行動に出た時、再選のくびきから脱したバイデン氏がどう腹をくくるのか、中東は重大な岐路に立たされている。
◆8月2日 ハマス最高幹部、事前に仕掛けられた爆発物で殺害か (NYT報道)
米紙ニューヨーク・タイムズは1日、滞在先に仕掛けられた爆発物で殺害されたと報じた。約2カ月前から爆発物が仕掛けられ、遠隔操作で爆破された。過去にもテヘラン訪問時に、数回にわたりこの宿泊施設に滞在。イスラエル政府は殺害の直後、作戦の詳細を米国やほかの西側諸国に説明していたという。
◆8月2日 ミサイルか仕掛け爆弾か ハマス指導者ハニヤ氏殺害方法の謎(産経新聞)
ロイター通信はハニヤ氏が殺害された31日、首都テヘランの滞在先に午前2時ごろ「飛翔(ひしょう)体」が撃ち込まれ、死亡したと伝えた。イランメディアも「ロケット弾かミサイル」が使われたと報じている。1日付の米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は、殺害に使われたのは仕掛け爆弾で、ハニヤ氏の宿泊施設には約2カ月前に搬入されて隠されていたと報じた。テヘラン北部の宿泊施設は革命防衛隊が管理しており、厳重な警備の中、ハニヤ氏が居室にいることを確認した上で遠隔で起爆された。ハニヤ氏は即死したが隣室に大した損傷はなく、「標的を狙った正確な計画」だった。イスラエルは事件直後、米政府などに詳細を説明した。
◆8月2日 イスラエルへの反発激化 親イラン勢力、相次ぐ幹部殺害で(時事通信)
ハマスやヒズボラなど親イラン勢力の間でイスラエルへの反発が強まっている。
イスラエルは「攻撃には重い代償を払わせる」(ネタニヤフ首相)とけん制しており、今後応酬が続けば、中東情勢が一層悪化する恐れがある。ハマスは1日、2日を「憤怒の日」と定め、パレスチナ住民にイスラエルに憤りを表すよう要請、「占領計画と対決すること」なども求めた。ヒズボラ・ナスララ師は1日、「敵やその背後にいる者はわれわれの明確な反応を待つべきだ」と報復を宣言。ヒズボラは1日、イスラエルに向けロケット弾数十発を発射した。フーシ派も1日、ハニヤ氏殺害を受けて「この犯罪への反撃を実行する」と表明した。ネタニヤフ氏は「防御と攻撃の両面であらゆる事態を想定し高度の準備を整えている」と強調、バイデン大統領は1日、ネタニヤフ氏と電話会談し「イランやハマス、ヒズボラ、フーシ派による脅威からイスラエルを守る」と伝えた。
◆8月2日 ハマス指導者殺害、停戦の取り組みにプラスでない=バイデン氏(ロイター)
バイデン氏が1日、ネタニヤフ首相と電話会談を行い、イスラエルの防衛支援に向けた米軍配備について協議した。米国はハニヤ氏殺害には関与していないとしている。
◆8月2日 ハマス指導者、遠隔操作で殺害か 2カ月前から滞在先に爆破装置 (米メディア(時事通信)
米「アクシオス」も、人工知能(AI)を使った高性能の爆破装置が事前に寝室に仕掛けられていたと報道。イラン国内にいるイスラエル対外情報機関モサドの工作員が起爆したという。イランのメディアは、ハニヤ氏が空爆で死亡したと報じていた。だが、イランの防空網を回避したミサイルやドローンを使った攻撃との主張には、信ぴょう性を疑う声が出ていた。ハニヤ氏の部屋の隣室には、「イスラム聖戦」指導者ナハラ氏が滞在していた。殺害対象はハニヤ氏に絞られていた可能性が高く、ナハラ氏は無事だった。イスラエル情報当局者は殺害直後に米国や西側諸国に爆破の詳細を説明した。
◆ひかるの呟き◆
ニュースではガザの人々の声は報道されない。彼らの胸の内は複雑だが、願いは一つ、今すぐの停戦だ。殺されない、生き抜くには今すぐの停戦以外にない。国際政治は、本音は事態の拡大は望んでいないとくり返す。ジェノサイドを止めることができるのはオリンピックではない、今すぐ停戦をの声と行動だ。