あずはまっすぐ走って僕にぶつかった。僕はあずが力をぬいて止まると予測していたから、全身で衝撃を受けて尻もちをついてから、思い切って後ろに倒れた。ホント情けないけど。
「ごめん。力入っちゃった?」とあずが言って「空がきれいだよ」と僕が答えた。冬の空を見上げていると、いろんなことがどうでもいい気がした。
あずの手を借りて僕が立ち上がって、僕たちは誰もいない砂浜で何も言わずに抱き合った。あずの体温が伝わって、僕は生まれてはじめて、もっと幸せになりたいと思った。
こんなに寒くても、海の上ではサーファーたちが波を待っているのが見えた。
砂浜ダッシュで上がった息が整うと、熱くなったのかあずはコートを脱いだ。それから、僕の後ろに回って砂をはたいてくれた。「セーシュンっていうより子供みたいだよ」
「ごめんなさい、ママ」と僕が言って、2人で砂浜を引き返した。砂の上には2人の足跡が並んでいくんだろう。前しか見ていない僕には見えないけど。
ペンションに戻ると食事の用意はもうできていて、僕はダウンを脱いで砂をはたいてから手を洗った。洗面所の鏡をのぞいたら、髪から落ちた砂が肩にもかかっていて、僕は洗面所に顔をつっこんで砂を払った。
「ごめん。力入っちゃった?」とあずが言って「空がきれいだよ」と僕が答えた。冬の空を見上げていると、いろんなことがどうでもいい気がした。
あずの手を借りて僕が立ち上がって、僕たちは誰もいない砂浜で何も言わずに抱き合った。あずの体温が伝わって、僕は生まれてはじめて、もっと幸せになりたいと思った。
こんなに寒くても、海の上ではサーファーたちが波を待っているのが見えた。
砂浜ダッシュで上がった息が整うと、熱くなったのかあずはコートを脱いだ。それから、僕の後ろに回って砂をはたいてくれた。「セーシュンっていうより子供みたいだよ」
「ごめんなさい、ママ」と僕が言って、2人で砂浜を引き返した。砂の上には2人の足跡が並んでいくんだろう。前しか見ていない僕には見えないけど。
ペンションに戻ると食事の用意はもうできていて、僕はダウンを脱いで砂をはたいてから手を洗った。洗面所の鏡をのぞいたら、髪から落ちた砂が肩にもかかっていて、僕は洗面所に顔をつっこんで砂を払った。