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女子高校生たちが次々と通りすぎる。自信がなくなってきた頃、急に明るくなって女の子が立ち止まった。作業服の男が脚立の上から頭を下げた。
こだいふくを手に取ってくれた女の子はちょっとだけ上戸彩に似ていた。

上戸彩をすこしふっくらさせた感じの女の子は、「ここにお店あったっけ？」とこだいふくを食べた。僕が生まれる前からあったなでしこを彼女は知らなかった。彼女の声に何人かの女子高校生が立ち止まってくれた。
店のなかではサトウさんがお茶を用意しながら電気工事の男と話していた。
ケーキ屋の方向へ歩き始めていた女の子が「マミじゃん、久しぶり」と戻ってきた。中学の同級生なんだろう。
ガラス戸があいて作業服の男が「またいつでも電話くださいよ」と出てきたついでに、「店にはお茶も入ってるよ」と言った。僕は「すこし話でもしていってください。せっかく久しぶりなんだから」と２人を店に案内した。