カリフォルニア便り ーFROM OQ STUDIOー

~南カリフォルニアから~
陶芸家の器と料理、時々王様の日々

旅の持ち物

2011年03月10日 | Articles

 

私達の旅の荷物は多分ほかの方々と比べると少ないのではないかと思います。

2週間の旅支度も30分とかかりませぬ。

出張ばかりしていた頃、自分たちなりに身につけた特技でしょうか。

過不足のない旅支度は、旅を軽やかで気持ちの良いものにしてくれるような気がします。


そんな私があまり他の方々がお持ちにならない品を必ず持参します。

何処に行くにも必ず。

それはこんな布の袋に入っていて、片手に乗る大きさ。

中にはこんな物が入っています。

ご存知、工夫茶と呼ばれる中国茶のお手前で使う蓋碗です。

この蓋碗の中には・・・・・

こういう物が入っています。マトリョーシカ茶器ですね。

蓋碗でそのままお茶を頂く事も出来ますが、

このように携帯用の茶器としては急須の役割を果たしてくれる便利もの。

私はこの茶器を台湾で求めましたが、以来必ず旅に持参します。

そして中国茶だけでなく、あらゆるお茶に使います。時にはコーヒーも。

時々私が自宅で開く茶会の席で、同じような物を作って下さいと言われるのですが、

磁器でなければ用をなさないのでお断りさせていただいています。

道具には素材も含めて理由の有るものが沢山有るので、

それに逆らわないのが私の陶芸家としての決めごとです。


私にとって素晴らしい茶葉との出会いは旅先での楽しみ&お仕事のひとつ。

サンプルで買った茶葉をホテルの部屋でテイスティングして、

気に入れば大量に買い付けることもあります。

お茶の産地は水道事情の安定しない場所に有る事も多く、

実はMy茶器を買い付けに持参する事は護身術のひとつでもあるのです。

お茶は素晴らしいのですが、テイスティングで出して下さる茶器を洗うお水が、

時に凶器となってしまうのです。

これは決して現地のお水のせいではなく、私の体が柔なのですが。

そうは言っても、短い滞在で生水と戦っている時間がない場合、

自分の茶器でテイスティングをさせていただく事は大きな安心感を与えてくれます。


お行儀が悪いので、そういう事はお止めになってください

 

お茶の名産地はご存知のように沢山有りますが、

名の知られていない、流通に乗って世の中に出てこない茶葉にも、

夢のように美しく香り高いものが沢山有ります。

お茶はそこに人が住んでいる限り、人とともにちゃんと生きているのです。

モロッコのミントティー、ネパールのウーロン茶などは、

私のランキングで最上位にランクされるものです。

残念ながら、限られた人の為に非常に手間のかかる製法で作られているので、

なかなか出会うことが出来ないかもしれません。

それでも私は日本で一度、このお茶と出会い涙が出る程嬉しい思いをした事が有ります。

自分の足で歩かなければ出会えないものに出会う為、

私はこの愛らしい茶器を道連れに旅に出るのです。

 

あなたの旅にも素敵な出会いが有りますように