カリフォルニア便り ーFROM OQ STUDIOー

~南カリフォルニアから~
陶芸家の器と料理、時々王様の日々

冷凍庫の中の宝物 その2

2011年08月10日 | Food

冷凍庫の中に入っていれば百人力。私のもう一つの宝物。

それは・・・・・

ソフリット

イタリアンには欠かせない旨味の元でございます。

作り方は簡単ですが、やたらに時間がかかります。

でも、これは応用範囲が広いので、イザという時でも、いわない時でも百人力です

 

タマネギ、ピーマン、ニンジンをフードプロセッサーで細かくしたものに塩少々を加え、

オリーブオイルで炒めます。セロリを使うレシピもありますが、

お料理によってはセロリの香りが邪魔になる事があるので私は使いません。

ここにイタリアントマトの水煮を手で潰したものを投入。

本来ソフリットにトマトは入りませんが、私は入れてしまいます。

水っぽいスープのごとき様相です。

こちらを弱火でひたすら煮詰めていきます。

このようになり始めたら要注意です。

油断をすると焦げます。

抜かりなく見張りつつ、このように完全なペースト状になるまで根気よく。

 

所要時間は2時間程かかります。ふぁいと!

出来上がったら小分けにして冷凍庫へGO。

この労は、報われます。


例えばこんな素敵なものが出来るから。

ご存知、パエリアです。

私のパエリアは、このソフリット無くしてあり得ません。

パエリア鍋(私はオーブンにそのまま入る厚手のフライパンを使用します)で

みじん切りにした、たまねぎとニンニクを炒め、

あさり

スモークソーセージ

タラ、イカのゲソ、エビ

これらを全部サッと炒め、生の米を洗わずに加えます。

スープストックにサフランとエビの殻を入れてサッとだしを取っておきます。

そのだしを、材料がヒタヒタになる程度注ぎます。

ここでお宝ソフリットも投入

そして、忘れてならないのが、このオリーブ。こちらをトッピング~

このオリーブはドライタイプで、梅漬けで例えるなら年代物の梅干し。

噛めば噛む程味わいの出て来るアレでございます。

御飯を炊き上げる間にふっくらとして、しかもオリーブの風味はそのままに、

パエリアの最高のアクセントになってくれるのです。

オーブンで18分程炊き上げます。

お米はアルデンテでお願いします。

完成

 

ね、報われるでしょ?

パエリアは見た目が豪華で、おもてなしには迫力満点のメインとなります。

ベジタリアンの方をお招きした場合は、グリルしたズッキーニやナス等を具材とします。

一から始めるのであれば、思い立ってすぐに作れる一品ではありませんが、

冷凍庫にソフリットさえ入っていれば、所要時間は一時間掛かりません。

炊きたてのパエリアをテーブルに運ぶ時の気持ちは、

作った私しか味わうことの出来ない幸せなのです。

 

私はいつの時も、料理に救われて来ました。

言葉の壁が立ちふさがって思うようにコミュニケーションが取れなかった頃でも、

臆せずにゲストをお招き出来たのは、私にお料理という言葉以外の表現方法が有ったから。

言葉は通じなくても、美味しい物は人を笑顔にすることが出来るのだと知りました。

食べることは生きること、生きることは食べること。

これからも私はそれを忘れずに暮らしていくつもりでございます。

 

明日より、我が家に滞在客があります。とても大切な人達です。

心を込めておもてなしをしたいと思いますので、

10日程、ブログはお休み致します。

日本は旧盆。汚れなき魂が、皆様の暮らしぶりを応援しに戻って来て下さいます。

どちら様もそれぞれに、素敵な時間をお過ごしくださいますよう。


では

 



最新の画像もっと見る